研究課題/領域番号 |
19K22881
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 神奈川工科大学 |
研究代表者 |
内川 惠二 神奈川工科大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (00158776)
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研究分担者 |
鈴木 雅洋 聖泉大学, 人間学部, 准教授 (30397046)
福田 一帆 工学院大学, 情報学部(情報工学部), 准教授 (50572905)
鯉田 孝和 豊橋技術科学大学, エレクトロニクス先端融合研究所, 准教授 (10455222)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 色恒常性 / 色覚メカニズム / 先験的知識 / 動物発達実験 / 照明視環境 / 先見的知識 / 証明視環境 |
研究開始時の研究の概要 |
色の恒常性メカニズムの理論では、物体表面の反射光から照明光成分を分離することが求められ、視環境の色度輝度に関する先験的な知識を必要とするが、その先験的な知識は発達過程で学習されるのか、あるいは生得的なものか、先験的な知識とは何かについては明らかではない。本研究ではこの課題解決を目指して、成鳥では色恒常性のあるニワトリのヒナを被験体とし、視環境の色度輝度変化が統制された条件で飼育し、成長後、色恒常性を調べるという新動物実験を行う。本研究では動物の発達過程の視環境を統制し、成長後に視覚特性を測定するという原理により、視環境の色度輝度変化が色恒常性の成立に影響するかどうかを実験的に解明する。
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研究成果の概要 |
本研究は色恒常性の成立に必要な先験的な知識は生得的か習得的か、先験的な知識とは何かを解明することを目的とした。ニワトリのヒナを被験体として、照明環境を統制して飼育し、1ヶ月後、色恒常性をテストした。合計6個体中生存した2個体では色恒常性は習得的なものである可能性を示した。その後、新型コロナの感染拡大により、動物実験が続行できなかったため、異なった照明光環境下で訓練された機械学習のニューラルネットによる照明光推定の違いと同じ条件で行った心理物理実験の被験者による照明光推定の違いを比較する実験を行った。その結果、照明光推定の個人差は被験者とニューラルネット間では明確ではなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人間の色恒常性のメカニズムの解明は古くから取り組まれてきた色覚研究の最も困難な課題の一つである。色恒常性の成立には何らかの先験的な知識が必要であるが、人間はこれをどのように獲得するかはまだ明らかとなっていない。本研究のような動物実験によってこの課題に取り組む研究は過去には例がなく、本研究のオリジナルである。したがって、本研究の研究成果は色恒常性の解明の新しい方法を開拓するという意味で、学術的意義がある。また、人間の色恒常性の解明は言うまでもなくコンピュータビジョンの進歩に大きな貢献をする。したがって、本研究の研究成果は社会的な意義を持つ。
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