研究課題/領域番号 |
19K22883
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
工藤 卓 関西学院大学, 工学部, 教授 (10344110)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ニューロロボット / 培養神経回路網 / 内部状態 / twitter / 感情極性 / 自発性神経電気活動 / 細胞外電位多点計測システム / 感性極性 / Babbling dialogue agent / 神経回路網の内部状態 / 相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,生体の培養神経回路網とスマートスピーカーを接続し,神経回路網の神経電気活動を感情ユニットとして利用して,対話内容を選択する,半生体の対話エージェントを実現する.本研究で開発するのは,片言で対話するエージェントである.生体要素で構成され,脳と同様にネットワークを構成して,揺らぎを含んだ相互作用を発現する培養神経回路網でモデルを作成すれば,それは人とより類似した意識状態を持つに至るのではないか.このように本研究は心のハードプロブレムに構成論的実証科学で挑むものである.対話エージェントの向こうに「心」が感じられるシステムが実現出来るならば,工学的にも有用である.
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研究成果の概要 |
生体の培養神経回路網とスマートスピーカーを接続し,神経回路網の神経電気活動を感情ユニットとして利用する対話型ニューロロボットを構築した.システムはほぼ想定通りに動作することが確認され,培養神経回路網の前提的な電気活動状況についても解析した.DIV7-9 の培養神経回路網を核とするエージェントとの対話実験を行った結果,エージェントの片言の応答は必ずしも意味が通らなかったが,人間の側が無意識的に補完して意味を理解することから,自然と感じられる会話が成立する場合もあった. 実際に生体ユニットとコミュニケーションをとることで,このエージェントに心的なものを感じやすくなることが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発した半生体の対話エージェントは,生体要素を含んで構成されている.脳と同様にネットワークを構成して,揺らぎを含んだ相互作用を発現する培養神経回路網でモデルを作成すれば,それは人とより類似した意識状態を持つに至るのではないかと言う仮説のもとに,心のハードプロブレムに構成論的実証科学で挑んだ.本システムは,ユーザーに人の脳とより類似した性質を持つ要素によって構成されたシステムとの対話を体験させることで,人の意識状態について考える機会を提供する.未だ限定的な結果ではあるが,対話エージェントの向こうに「心」が感じられるシステムが実現された可能性があり,工学的にも有用である.
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