研究課題/領域番号 |
19K22885
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所) |
研究代表者 |
和田 真 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 脳機能系障害研究部, 研究室長 (20407331)
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研究分担者 |
小早川 達 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 上級主任研究員 (70357010)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 偏食 / 味覚 / 時間 / 自閉スペクトラム症 / 発達障害 |
研究開始時の研究の概要 |
「スイカに塩をかけると、甘くなる」といった味覚の増強は、万人に通用するとはいえない。これまでの調査研究からも、自閉スペクトラム症者は、「味がまざるのを嫌う」とされており、塩味・甘味等の知覚の分離がうまくいかないことが、偏食に結びつく可能性がある。本研究では「基本味間の時間的に過剰な統合が、味覚の問題に起因した偏食を引き起こす」という仮説のもと、発達障害者における偏食の背景にある神経メカニズムの理解と、解決策の提案を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では味覚の時間情報処理を実験的に検証し、偏食の個人差と比較することで、発達障害者における偏食の背景を理解することを目指した。食行動・味知覚・自閉傾向との関連を明らかにするため、オンラインでの調査を実施した。その中で、食感の問題に加えて、味の混ざりへの忌避が自閉傾向と関連することが示唆された。一方、甘味と塩味の順序判断を行わせる課題を開発し、MEGによる脳機能計測を実施した。その結果、共感性スコアが高い参加者は甘味が先と感じやすく、主観的な味知覚の特徴と関連がみられることが明らかになった。従って、予想とは異なるものの、味覚情報処理の時間特性が、認知スタイルと関連することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アンケート調査からは、自閉傾向が高い人では、味の混ざりに対する忌避感や食感の問題が生じがちなことが判明し、酸味への好みが食べ物の苦手に深く関与する可能性が示唆された。心理物理実験からは、味知覚の特徴と共感性が関連する可能性を示すことができた。味知覚の時間的統合の特徴が、共感性と関連することは、これまで知られておらず、味覚認知の神経基盤を考えるうえで重要な発見と考えている。また、自閉傾向・味知覚の特徴と食行動の関連を示したことは、支援を考えるうえで、重要な示唆を得ることができたと考えている。
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