研究課題/領域番号 |
19K22886
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 関西医科大学 (2020-2022) 国立研究開発法人情報通信研究機構 (2019) |
研究代表者 |
宮内 哲 関西医科大学, 医学部, 非常勤講師 (80190734)
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研究分担者 |
仲泊 聡 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級研究員 (40237318)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 眼球運動 / 膝状体外路系 / 瞳孔径 / サッケード / express saccade / エクスプレスサッケード / 瞳孔 / 鼻側網膜と耳側網膜 / 視覚障害 / 意識 |
研究開始時の研究の概要 |
視覚野の損傷により全盲であるにもかかわらず障害物を避けて歩ける人がいる。ヒトの視覚情報処理経路には二種類ある。網膜から外側膝状体を経て第一次視覚野に投射する膝状体路系と,網膜から上丘・視床枕・扁桃体等に投射する膝状体外路系である。一次視覚野の損傷により全盲であっても,膝状体外路系を用いて障害物を察知していると考えられる。しかし従来の視覚に関する研究のほとんどは,膝状体路系に関するものであり,ヒトの視覚情報処理における膝状体外路系の役割はほとんど不明である。本研究は心理物理学的手法と眼球運動計測によりヒトの膝状体外路系の機能の解明を目的とする。実験に際しては,被験者の同意を得た上で実験を行う。
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研究成果の概要 |
眼球運動と瞳孔径を用いて膝状体外路系機能を調べるための眼球運動記録・解析システムを構築し,計測を行った。具体的には,リフレッシュ・レートが240Hzのディスプレイと,眼球運動と瞳孔径を500Hzで記録できるeye trackerを接続し,計測・解析のためのプログラムを作成した。。本システムにより,高速で提示される視覚刺激に対する眼球運動と瞳孔径を高いサンプリング・レートで記録できるようになり,エクスプレス・サッケード及び修正サッケードを正確に記録・解析することが可能になった。このシステムを用いて,健常成人15名のサッケード課題における鼻側網膜と耳側網膜刺激に対するサッケード潜時を計測した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年,視覚障害者が駅のホームから転落して死亡する事故が後を絶たない。一方,視覚野の損傷により全盲であるにもかかわらず障害物を避けて歩ける人がいる。ヒトの視覚情報処理経路には,網膜から外側膝状体を経て第一次視覚野に投射する膝状体路系と,網膜から視床を介さずに上丘・視床枕・扁桃体等に投射する膝状体外路系がある。一次視覚野の損傷により全盲ではあっても,膝状体外路系を用いて障害物を察知していると考えられている。本研究は,膝状体外路系の機能を眼球運動を手がかりにして解明し,膝状体路系の損傷による視覚障害者の安全に寄与する。
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