研究課題/領域番号 |
19K22887
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
成瀬 康 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター, 室長 (00455453)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 脳波 / 余裕度 / TRF / ウェアラブル脳波計 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで,疲労についての研究は数多くあるが,疲労の結果,人がミスしたりするのは,疲労により,脳の「余裕度」が少なくなっているからであると考えられる.しかし,この脳の余裕度を脳からダイレクトに推定するという試みはこれまでになされていない.本研究ではこの脳の余裕度をリアルタイムかつ定量的に脳波から推定する手法を確立することを目指す. 脳波を用いた実験を行う場合は,ヘルシンキ宣言に則り,人体への安全性を十分に考慮した実験計画を立て,所属する機関の倫理委員会の承諾を得る.また研究参加者には事前にインフォームドコンセントを得た上で,いつでも研究参加者の希望で実験を中止できることを保証して実験を行う.
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研究成果の概要 |
本研究ではラジオニュースという一般的な音声を聞かせたときにこのラジオニュースに対する脳反応から脳の余裕度の推定が可能かについて検討を行った.ラジオニュースと無声動画を見ているときに,1.ラジオニュースに注意を向ける,2. 無声動画に注意を向ける,および,3. ラジオニュースのみを聞いてラジオニュースに注意を向けるという3つの条件で実験を実施し,ラジオニュース対する脳反応を抽出した.その結果,同じラジオニュースに対する脳反応でありながら,条件間で反応強度に有意な差を得ることができた.このことは,脳の余裕度に関連する脳情報を取り出すことができている可能性があることを示唆している.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
作業のミスを発生させる原因は,精神的,身体的な疲労の結果,脳に「余裕」がなくなり,作業に対して集中が出来なくなったからであるともいえる.疲労による脳への影響は様々であると考えられるが,ミスに直接的につながる「脳の余裕度」をリアルタイムに計測することが出来れば,作業ミスなどを防ぐことが出来る可能性がある.今後は,本研究で抽出した脳の余裕度に関連する脳活動を利用してミスなどのトラブルの発生を予測することで,トラブルを未然に防ぐことができる可能性がある.
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