研究課題/領域番号 |
19K22893
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分62:応用情報学およびその関連分野
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
飯田 弘之 北陸先端科学技術大学院大学, その他, 理事 (80281723)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 思考の世界の力学 / ゲーム情報学 / 人工知能 / 心地よさ / エンタテインメント / ゲーム洗練度理論 / ゲーム依存 / 思考の世界の運動モデル / 情報加速度 / ゲーミフィケーション / スリル観 / 没入観 / 乗り心地 / 遊び心地 / 共謀数 / ゲーム依存症 / 満足感 / スポーツ競技 / 思考ゲーム / 快適化 / 心地良さの科学 |
研究開始時の研究の概要 |
乗り心地の科学では,振動や騒音など乗客の不快要因を特定し除外するという不快排除型アプローチが主流であり,その成果は自動運転の現実化と共に重要される.一方,遊び心地の科学では,遊び心地をもたらす要因を特定し,その知見に基づいて当該イベントの遊戯性を評価し,また,新たなゲーム創作に役立てる.ゲーム洗練度理論は,遊び心地の要因としてスリル感に注目し,結果の不確定性に関する数理モデルから二階微分値を求め,ゲーム洗練度の指標として用い,当該ゲームから得られるスリル感の定量的評価に利用されている.本研究では,力学における位置の変位に代えて不確定性の変位を扱う新たな力学(思考の世界の力学)を探求する.
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研究成果の概要 |
本研究ではゲーム洗練度理論を発展させ新たな理論を構築した.その数理モデルからゲーム木探索で用いる指標として,2人ゲーム探索で用いる確率型証明数(PPN)とパズル解探索で用いるシングル共謀数(SCN)を導出した.これらの指標を探索過程で利用することで最高レベルの解決器を開発できることを実際のゲームやパズルで実験的に検証した.ここで開発した最高レベルの解決器が探索の判断材料として利用した指標がゲームプレイやパズル解法のプロセスで時間変位するダイナミクスを思考の世界の力学モデルと対応させることで等価であることを発見した.つまり,最適化と快適化がゲームプレイやパズル解法の根底において同一視される.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本ではマンガ,アニメ,ビデオゲームに代表されるエンタテインメント産業を活発に展開し,我が国の象徴的なものとなっている.一方,エンタテインメントの原理に関する学術的な側面での研究は停滞し,結果として,エンタテインメント産業界でも欧米等の後塵を拝する傾向にある.本研究では,エンタテインメント科学の先駆的役割を果たしたゲーム洗練度理論をベースとして,思考の世界の力学という新たな理論を提唱し,遊戯性の指標を導出した.こうして,これまでにないエンタテインメントの評価法が確立し,さらには,エンタテインメントシステムのより精密なデザインを可能とした.産業面でも様々な分野で快適さを取り込むことが期待される.
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