研究課題/領域番号 |
19K22894
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分62:応用情報学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松田 秀雄 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (50183950)
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研究分担者 |
瀬尾 茂人 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (30432462)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | クラスタリング / 細胞系譜推定 / 細胞アトラス / 1細胞RNAシーケンシング解析 / バイオインフォマティクス / 細胞系譜解析 / 1細胞RNAシーケンス解析 / 遺伝子発現解析 / 1細胞RNAシーケンス / 1細胞トランスクリプトーム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
1細胞RNAシーケンス技術の発展により、様々な臓器・組織の細胞集団の持つ遺伝子発現プロファイルが細胞アトラスとしてまとめられつつある。本研究では、細胞集団中で遺伝子発現に関連が認められる細胞どうしを辺でつないだネットワークを構築し、ベイズ情報量基準に基づくスコアを導入して、スコアの高い部分ネットワークを抽出することで細胞間相互作用のネットワークを推定する。次元削減を使わずに、ネットワーク中での辺の接続関係をもとに細胞集団を比較・分類することが独創的な点である。
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研究成果の概要 |
1細胞RNAシーケンシングにより取得した1細胞発現プロファイルを、細胞アトラスと細胞集団間の類似性を比較することを目的として、比較を妨げる要因であるバッチ効果を補正して細胞集団をクラスタリングする手法を開発した。これを発展させて、細胞集団の細胞系譜を推定し、2群で異なる発現変動を示すマーカー遺伝子を検出する手法を開発した。実際に、ヒトサンプルから得られた疾患型と健常型の2種類のT細胞のデータに本手法を適用したところ、T細胞の分化過程を反映した細胞系譜が得られ、さらにその系譜上で疾患型の細胞集団に特徴的な発現変動を示す新規のマーカー遺伝子を検出でき、本手法の有効性が確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究者は、自身の取得した細胞サンプルの遺伝子発現プロファイルを問合せとして細胞アトラスを検索し、類似したプロファイルを持つ細胞の情報を得ることで、細胞の機能についての手がかりをつかむことが期待される、しかし、異なるサンプル間でのデータの偏りにより生じるバッチ効果のため、細胞サンプル間の比較は容易ではなかった。本研究は、複数の細胞集団で、バッチ効果を補正して相互の類似性を基にクラスタリングする手法を開発した。さらに、この手法を応用して、疾患型と健常型など生物学的背景の異なる細胞集団間で分化系譜を推定し、対応する系譜間で疾患型のみで強く発現するマーカー遺伝子を検出することができるようになった。
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