研究課題/領域番号 |
19K22901
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分63:環境解析評価およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
羽馬 哲也 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (20579172)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 海洋表面マイクロ層 / 大気エアロゾル / クチクラ層 / 光化学反応 / 気液界面 / レーザー誘起蛍光法 / 表皮 / 赤外分光法 / エアロゾル / 非破壊分析 |
研究開始時の研究の概要 |
地球環境では,気相・液相・固相に加え,大気エアロゾルや海洋表面マイクロ層など界面(とくに気液界面)において複雑な化学反応がおきており,エアロゾルの物理化学的性質(放射強制力や毒性)や大気-海洋間の物質循環に大きな影響を与えている.近年,気液界面における有機物の光反応が注目されているが,「気液界面の光反応」に関する実験は非常に少なく,初期過程である「有機物の光分解によるラジカル生成」すら定量的に分かっていないのが現状である.そこで本研究では,気液界面に存在する代表的な有機物であるノナン酸の液体試料に紫外光レーザーを照射し,生成したOHラジカルをレーザー誘起蛍光法で直接検出する実験をおこなう.
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研究成果の概要 |
液体試料(ノナン酸)に紫外光レーザーを照射し,生成したOHラジカルをレーザー誘起蛍光法で直接検出する装置を作製した.また新たな研究として,偏光赤外外部反射分光法を用いて,これまで非破壊その場分析が困難であった生きたヒトの表皮(生体表面)に吸着した微量な薬剤(ナノスケールの厚さの薄膜)の分子配列と分子配向を10分程度で分析する方法を開発した.偏光赤外外部反射分光法は水の界面に存在する界面活性な有機分子の膜(ラングミュア膜やギブズ膜)にも応用可能であるため,今後,海洋表面マイクロ層やエアロゾル界面の研究に偏光赤外外部反射分光法を用いることで新たな知見が得られる可能性が高い.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で,液体界面の光反応実験装置に加えて,新たに開発した「偏光赤外外部反射分光法による生体表面分析法」は,高強度レーザーやイオン,電子などの高エネルギー粒子を使わない安価な非破壊分析法でありながら,高感度(10 nm以下の薄膜を高いシグナル/ノイズ比で測定できる),測定対象が幅広い(ヒトの表皮や葉のクチクラなどの生体表面を測定可能)という特徴を持つため,今後の産業界への貢献が大きく期待できる分析法である. 本研究と物性分析法(撥水性や保水性を調べる場合は接触角測定など)を組み合わせることで,新しい材料の設計・開発への応用につながると期待される.
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