研究課題/領域番号 |
19K22908
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分63:環境解析評価およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
角皆 潤 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (50313367)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 溶存酸素 / 呼吸速度 / 光合成速度 / 安定同位体 / トレーサー / 海洋 / 湖沼 / 伊勢湾 / 同位体トレーサー法 / 酸素同位体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、極微量安定同位体である質量数17の酸素原子を標識トレーサーに用いた、高感度かつ高確度、そして簡便な水試料中の呼吸速度定量法を開発することを目的とする。具体的には、質量数17の酸素原子を濃縮した酸素ガスを水試料に添加して培養し、その間に進行した呼吸反応が引き起こす、水の酸素同位体比変化を超高精度で定量化することで、呼吸速度を求める。また伊勢湾で観測を行い、同湾における貧酸素水発生の主要因を明らかにするとともに、その大きさを規定する主要環境因子を考察する。また、光環境の影響を無視して定量化する従来法の問題点について考察する。
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研究成果の概要 |
酸素の微量安定同位体であるO-17を濃縮した酸素分子を密閉容器中の水試料に添加し、一定の培養期間中に進行する呼吸 (酸素消費) 反応で変動する水の同位体比を高精度に定量化することで、呼吸速度を高感度、高確度かつ簡便に定量出来る新手法を開発した。この新手法で定量化される呼吸速度の精度・確度を検証するとともに、これを用いて、海水および湖沼水試料の呼吸速度を実測した。すると一次生産が活発な表層で速く、新鮮な有機物の少ない深層水中で遅くなった。また、光を当てて培養すると、遮光して培養した場合と比べて呼吸速度が上昇することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
各水環境における水中の酸素消費速度 (=呼吸速度) の大きさや、その季節変動や長期変化の実態を把握すること、さらにその大小を規定する環境因子を明らかにすることは、人類にとってきわめて優先度の高い課題であるが、暗瓶法等の従来の呼吸速度定量法は検出感度が低く、また確度にも問題があった。本研究で開発した新手法は高感度、高確度かつ簡便に水中の呼吸速度定量を実現する画期的な手法であり、水中呼吸速度の観測を一般化・普遍化出来る。貧酸素水塊発生時期予測の高精度化が実現し、貧酸素水塊発生原因の解明も、容易になる。
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