研究課題/領域番号 |
19K22917
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分63:環境解析評価およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
吉川 知里 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(生物地球化学センター), 副主任研究員 (40435839)
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研究分担者 |
重光 雅仁 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(海洋観測研究センター), 研究員 (20511695)
山本 彬友 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(環境変動予測研究センター), 特任研究員 (30794680)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 窒素同位体比 / 古海洋 / 窒素同位体モデル |
研究開始時の研究の概要 |
過去の海洋表層の窒素循環を復元するため、海底堆積物に含まれる全窒素の窒素同位体比が長らくプロキシとして用いられてきた。しかし、窒素同位体比の解釈は単純ではなく、常に複数の可能性が生じるため、複数の仮説をたててそれぞれについて考察する必要があった。またその解釈も定性的な考察に終始せざるを得なかった。そこで本研究では、窒素同位体モデルを用いて退氷期実験を行い、全球海洋を窒素同位体比の変動特性から区分けし、海区ごとに窒素同位体比変動を決める要因を定量的に明らかにすることで、海底堆積物の窒素同位体比記録の解釈を単純化する。
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研究成果の概要 |
海洋表層水中の硝酸濃度は、海洋の一次生産を決める主要な要因である。この要因を復元するため、海底堆積物に含まれる全窒素の窒素同位体比がこれまでプロキシとして用いられてきた。しかし、窒素同位体比記録の解釈には複数の可能性が生じるため、その海域の特性に応じて解釈を吟味する必要があった。本研究では、全球窒素同位体比モデルを用いて産業革命前と最終氷期最寒期の沈降粒子の窒素同位体比分布を復元した。この沈降粒子の窒素同位体比の季節変化についてクラスター解析を行い、全球海洋を季節変動特性で11に区分けした。各区画について、沈降粒子の窒素同位体比変動を決める要因を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、全球窒素同位体比モデルを用いて産業革命前と最終氷期最寒期の沈降粒子の窒素同位体比分布を復元した。復元結果を基にクラスター解析を行い、全球海洋を季節変動特性で区分けして各区画における沈降粒子の窒素同位体比変動を決める要因を明らかにした。本研究で開発した全球窒素同位体モデルは、退氷期における沈降粒子の窒素同位体比分布の時系列復元が可能であることから、退氷期を含む海底堆積物の窒素同位体比変動を定量的に考察できるようになると考えられる。また、本研究で行ったクラスター解析を退氷期の気候変動特性の区分けへ応用可することで、古海洋窒素サイクル解析の新たな手法へつながることが考えられる。
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