研究課題/領域番号 |
19K22922
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
栗栖 太 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (30312979)
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研究分担者 |
久保田 健吾 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (80455807)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 未知スクリーニング分析 / ノンターゲット分析 / 精密質量分析 / 活性汚泥 / 微生物群集構造解析 / 大腸菌 |
研究開始時の研究の概要 |
下水処理などで広く用いられている生物学的廃水処理プロセスは、包括的な有機物指標を用いた性能評価を中心とした経験的な運転管理に頼っている。本研究では、廃水中の個々の有機物が、処理プロセスにおける個々の微生物により分解され、処理水を構成しているという現象そのものとして理解することに挑戦する。そのために有機物を高分解能精密質量分析計により化合物種レベルで分析し、有機物分解反応を担う微生物群集についても微生物種レベルで解析して、要素間の関連を分析する。
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研究成果の概要 |
下水処理場から流入下水と処理水、および活性汚泥を採取し、溶存有機物を高分解能精密質量分析計により化合物種レベルで分析するとともに、有機物分解反応を担う微生物群集について解析した。その結果、微生物群集構造は、流入水組成とは関連性が見いだせなかったのに対し、処理水との関連性が示されたことから、微生物代謝産物としての処理水と微生物組成との関連を示すことができた。また、下水処理水中の有機物のうち、微生物が利用する物質の推定を行う方法を確立することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生物学的廃水処理プロセスは、包括的な有機物指標を用いた性能評価を中心とした経験的な運転管理に頼っている。本研究成果により、廃水中の個々の有機物が、処理プロセスにおける個々の微生物により分解され、処理水中の有機物を構成しているという本質的な現象の理解を進めることができた。さらに、複雑な有機物組成の中で、ある微生物が利用する特定の有機物について解析する手法を確立できたことから、今後「誰が、何を分解して何が処理水として残るのか」という問いを明らかにする道筋をつけることができた。
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