研究課題/領域番号 |
19K22925
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
本多 了 金沢大学, 地球社会基盤学系, 准教授 (40422456)
|
研究分担者 |
松浦 哲久 金沢大学, 地球社会基盤学系, 助教 (90771585)
原 宏江 金沢大学, 地球社会基盤学系, 助教 (70823524)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
|
キーワード | 活性汚泥 / トランスクリプトーム / 難分解性物質 / 遺伝子発現解析 / 微生物群集解析 / 微生物群集 / メタゲノム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
活性汚泥の微生物が,どのような代謝を行って廃水処理の機能が発揮されているかはいまだ未解明である。本研究は,遺伝子オントロジー解析を用いて活性汚泥で起こっている代謝を明らかにすることを目的として,よく知られている次の2つの現象:(1)有機物の細胞への取り込みから分解,フロック形成に至る代謝の変化,(2)汚泥の自己消化と難分解性物質の分解,を引き起こす基本的な代謝メカニズムを明らかにすることを目的とする。これにより,汚泥沈降性の悪化による処理の失敗,など,原因が未解明の現象のメカニズムや制御方法,また,リン蓄積細菌,アナモックス細菌などの活性汚泥中で特殊な機能を持つ細菌の代謝の解明につながる。
|
研究成果の概要 |
下水処理場から採取した活性汚泥にペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)およびペルフルオロオクタン酸(PFOA)それぞれを混入した培地をセミバッチ方式で投入し,汚泥の馴致試験を行った。馴致した汚泥にPFOSとPFOAを含む培地にそれぞれを投入してバッチ分解試験を行った。その結果,PFOAとPFOSで馴致した汚泥のいずれの場合もPFOAに対して分解性を示した。一方,PFOSに対しては,どちらの馴致汚泥においても分解性が見られなかった。対照試験としてオートクレーブを行った汚泥ではPFOAの減少はみられなかったことから,馴致していない元の汚泥にPFOA分解能をもつ微生物が存在することが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ペルフルオロアルキル化合物(PFAS)は微量でも強い毒性をもち,国内外で土壌や地下水・表流水にしばしば検出されて問題となっている。特に毒性と残存性の高いPFOSとPFOAは米国・日本国内でも水質環境基準設定され,汚染環境の浄化や水環境への拡散防止が急務である。しかし,PFASは非常に安定な化合物であり,通常の生物処理プロセスで分解除去することが困難である。本研究の成果は、本研究の成果は、PFASを含む廃棄物処分場や汚染土壌の浸出水・洗浄水の処理や,PFASを含む水道水源のRO膜による浄水処理後濃縮水のPFAS除去利用に適用でき,PFASによる水源汚染問題の解決につながる。
|