研究課題/領域番号 |
19K22926
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
|
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
福原 長寿 静岡大学, 工学部, 教授 (30199260)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
|
キーワード | 温室効果ガス削減 / メタン化反応 / CCU / 構造体触媒 / 触媒反応システム / プロセス強化 / CO2削減 / オートメタネーション / CO2資源化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、産業プロセス排出のCO2を、CO2の分離操作なしに空気成分と混在したまま、25℃程度の常温域で高効率・高選択的に、かつ大量にCH4に変換する触媒反応場を創製する。そして、この反応場の触媒機構を解明し、CO2資源化技術の新学理を開拓する。研究のポイントは、構造体触媒反応場によってCO2を常温域で効率的なメタン変換を大量規模で行なうことである。通常の報告例では300℃程度で実施されるCO2のメタン化反応を、常温域で実施することは世界で未だ報告例はないことから、本研究で開拓する技術によって世界に先駆けたCO2の資源化ルートを開拓する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、温室効果ガスであるCO2を大量に処理することを目的に、高速な原料ガス供給におけるメタン化特性を評価した。産業プロセスから排出されるCO2の有効活用を意図している。スパイラル形のNi/CeO2構造体触媒で構築した3連式反応場システムは、高効率なCO2のメタン化機能を示し、反応場から生成水をトラップすることでより活性が向上した。触媒濃度に傾斜を施した構造体触媒システムは、供給3L/min(触媒との接触時間0.1sec)の場合でも、高く安定したメタン変換性を示した。さらに、原料ガス中に酸素を共存させることで、外部加熱のない室温域でもメタン化反応が進行し、触媒プロセスの強化となった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
温室効果ガスによる環境変化が顕在化してきた現在において、産業プロセスから排出されるCO2ガスの処理とその有効利用は開拓する技術として重要である。本研究の推進によって、スパイラル形の構造体触媒で構成した触媒反応システムは、かなりの高速条件で原料ガスを供給してもCO2を高い効率でCH4に変換できることが明らかとなった。また、生成する水を反応場から除去することでさらに変換効率が高まることもわかった。加えて、外部加熱の不要な室温域でもメタン化反応が進行する技術も開発できた。これらの成果は、目的とするCO2の変換処理を大量かつ経済的に実施する新規な触媒反応プロセスの開拓へとつながるものである。
|