研究課題/領域番号 |
19K22927
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
|
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
二又 裕之 静岡大学, グリーン科学技術研究所, 教授 (50335105)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
キーワード | 微生物生態系 / 合成微生物群集 / 代謝ネットワーク / 微生物間相互作用 / 共存 / 揺らぎ / 制御 / 代謝 / システム制御 / ネットワーク / リデザイン / 恒常性 / 不安定性 |
研究開始時の研究の概要 |
地球生態系の機能維持に微生物は集団として深く関与し好適制御が希求されていることから、安定的機能維持機構の理解が必要不可欠である。 実際の微生物生態系は複雑過ぎて解析困難である為、分離菌株を用いた合成微生物生態系を構築し解析してきた。その結果、純粋培養系では活性が維持されるにも関わらず、集団では系そのものが破綻した。これまでの研究から、機能維持された系では微生物間代謝ネットワークの重要性を示唆する結果が得られている。そこで本研究では、微生物間代謝ネットワークを切り口に、モデル微生物生態系の破綻機構の解明とその再生機構の糸口を得る為の研究を実施する。
|
研究成果の概要 |
微生物生態系は深海底土圏からヒトの腸内とあらゆる場所で形成され、場の様々な機能を担っており、好適な制御が希求されています。しかし、制御に関する知見はまだまだ十分と言えず経験則に依存しているのが実情です。本研究では、微生物生態系の形成メカニズムの解明に向けて、異なる3種の微生物を用いてモデル微生物生態系を構築し、その形成機構に関する解析を実施しました。その結果、安定した微生物生態系の構築は、微生物間の代謝ネットワークとそのネットワークを変化させ得る微生物間の相互作用の変化が重要であることが示唆されました。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
微生物生態系の形成原理の理解は、微生物生態学における非常に大きな課題の1つでもあります。本研究では、代謝ネットワークが微生物生態系の安定形成因子であることを見出し、さらに微生物間相互作用の揺らぎが代謝ネットワークを固定せず異種微生物の安定共存に重要であることを実験的に示唆しています。分離株を用いた本研究から、相互作用の揺らぎを見出せたことは、細胞レベルでの代謝活性や遺伝子発現の差異といったこれまで実態としては捉え難かった課題に、今後直接的に解析可能であることを示唆し学術的意義が非常に高いと判断されます。また、より適切に制御する上でも重要な知見を得る可能性があり社会的意義も深いと考えられます。
|