研究課題/領域番号 |
19K22928
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
橋本 渉 京都大学, 農学研究科, 教授 (30273519)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
|
キーワード | アルギン酸 / 大気窒素 / 窒素固定細菌 / バイオディーゼル / 廃グリセロール / ポリヒドロキシ酪酸 / バイオリファイナリー / 生分解性プラスチック / ブルーカーボン / SDGs / 低炭素社会 / 発酵 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでカーボンニュートラルの概念に基づき、低炭素化に重点が置かれている。一方、アンモニアの化学合成(ハーバー・ボッシュ法)は、大量のエネルギー消費を伴い、且つ「硝酸態窒素」による土壌汚染を引き起こしている。そのため、省エネルギーと適切な窒素循環の再構築が求められている。そこで、本研究では、窒素固定細菌を用いて「大気窒素」を積極的に利活用する基盤技術を開発する。
|
研究成果の概要 |
窒素固定細菌Azotobacter vinelandiiが、窒素源として「大気窒素」を活用し、バイオディーゼル生産時に副生する「廃グリセロール」を前処理(脱脂や中和)なく資化することにより、有用なバイオポリマー(アルギン酸とポリヒドロキシ酪酸(PHB))を合成した。アルギン酸とPHBの合成は拮抗するため、アルギン酸合成欠損株のPHB生産を調べた結果、欠損株では野生株と比較して顕著にPHBの生産レベルが向上した。「廃グリセロール」からのPHB高生産にもアルギン酸合成の遮断が有効であることを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、窒素固定細菌を用いて、「大気窒素」を窒素源として、「廃グリセロール」から生体適合医療素材と生分解性プラスチック素材を生産する新たな「大気窒素」活用型発酵技術の基盤を開発することができた。「大気窒素」活用型微生物発酵モデルの確立は、「化学的窒素固定」から「生物学的窒素固定」へシフトする端緒に繋がり、循環型社会や脱炭素社会の形成[持続可能な開発目標(SDGs)の達成]に貢献し、各種発酵産業(アミノ酸、有機酸など)とも連携することにより、窒素循環型社会を構築する新たな産業分野の開拓に展開できる。
|