研究課題/領域番号 |
19K22929
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大庭 ゆりか 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 研究員 (30816921)
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研究分担者 |
伊勢 武史 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 准教授 (00518318)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 深層学習 / 放射線災害 / リモートセンシング / 森林生態系 / 環境保全 |
研究開始時の研究の概要 |
原発事故が自然にもたらしたものは放射性物質だけではない。本研究では、これまで見過ごされてきた「除染」という人間活動が森林生態系に及ぼす影響を、情報学の新技術を適用して評価する。高精細な人工衛星画像データの解析が可能なモデルを開発し、その技術を搭載した自動識別モデルを広域適用に耐えうるものへと発展させる。この技術を用いれば、汚染の影響評価時に、除染という二次的な影響も考慮することができ、より精度の高い環境評価が可能となる。本研究は学術の発展に寄与するだけではなく、現地の森林管理と環境モニタリングを革新する可能性を秘めている。長期にわたると予測される森林再生計画の現実的な運用への貢献を目指す。
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研究実績の概要 |
昨年度は、低解像度の無償人工衛星画像からなる教師画像データベースを整備し、それを用いて複数の深層学習フレームワークによる除染実施区域自動識別モデルを構築したが、モデル精度を検証した結果、教師画像データベースの再整備を行う必要が生じた。そのため今年度は、追加の教師画像データの取得およびデータ処理を行い、教師画像データベースの再整備を行った。再整備した教師画像データベースを用いて画像識別モデルの開発を実施し、データベース間でのモデル精度の比較を行った。また、再整備後の教師画像データベースを用いて構築した画像識別モデルをベースに、高解像度の有償人工衛星画像データに適用可能なモデル開発のための準備を行い、高解像度人工衛星画像データを解析するために必要な環境構築およびデータ処理プロトコルの開発を、昨年度に引き続き進めた。また、公開されている除染実施区域の情報(除染実施時期や空間線量)や植生データをもとにサイト選定を行い、次年度に実施予定のフィールド調査の準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症流行のため、予定していたフィールド調査を延期せざるを得なかったため。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、延期していたフィールド調査を実施する。併せて高精細な有償人工衛星画像データを取得して、それらのデータに除染区域自動識別モデルを適用し、モデル精度の検証を行う。検証結果によっては、必要に応じてモデルの再構築を行う。さらに、モデルを使用して抽出した地域の森林データの解析を行い、森林生態系への除染の影響を推定する。
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