研究課題/領域番号 |
19K22935
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
惣田 訓 立命館大学, 理工学部, 教授 (30322176)
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研究分担者 |
宮田 直幸 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (20285191)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | マンガン / 人工湿地 / マンガン酸化微生物 / 抽水植物 / 浮遊植物 / 沈水植物 / 坑廃水 / 微生物 / 植物 / バイオオーグメンテーション |
研究開始時の研究の概要 |
マンガン酸化菌を人工湿地の植物根圏において優占化し、水溶性マンガンを不溶性のマンガン酸化物として酸化除去する。マンガン酸化菌は、一般的に培養が困難なものが多いが、外部炭素源を用いず、植物が根から分泌する有機物と酸素を基質・電子受容体として増殖できるものの集積を目指す。マンガン酸化菌によって形成されたマンガン酸化物は、水溶性マンガンを吸着除去し、さらに吸着されたマンガンは酸化物になり、他の金属を吸着・酸化しつつ、目詰まりしない範囲では、マンガンの飽和吸着量は維持される。また、マンガン酸化菌の酵素反応による酸化は、pHが8以上でなくとも効率的に進行することが期待できる。
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研究成果の概要 |
曝気電力や薬剤消費量が少なく、維持管理も容易な人工湿地によるマンガン含有坑廃水のパッシブ処理技術の開発を目的とした。マンガン酸化菌を人工湿地の植物根圏において優占化し、水溶性マンガンを不溶性のマンガン酸化物として酸化除去する。抽水植物であるヨシとガマを用いた人工湿地と浮遊植物であるホテイアオイと沈水植物であるオオカナダモを用いた人工湿地をラボスケールで用意し、模擬坑廃水(Mn 10-60 mg/L, Zn 11 mg/L)の処理実験を行った。いずれの人工湿地でも、マンガンと亜鉛の排水基準である10 mg/Lと2 mg/Lを達成することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在の坑廃水処理技術は、カドミウムや鉛に対する中和・凝集沈殿を中心とする物理化学処理であり、多大な電力や薬剤、管理労務費が長期的に発生する。安価で管理が容易なパッシブ処理技術が必要とされており、その候補が人工湿地である。人工湿地は維持管理が容易であり、機械類や化学薬品、電力の使用が少なくできる可能性がある。しかし、日本で人工湿地処理が導入されている鉱山は、主に鉄やアルミニウムの除去を目的とした本庫鉱山ただ一ヶ所しかない。そのため、本研究は人工湿地の導入事例を一つでも増やすことに挑戦する意義がある。
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