研究課題/領域番号 |
19K22954
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三浦 重徳 東京大学, 生産技術研究所, 特任講師 (70511244)
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研究分担者 |
宿南 知佐 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (60303905)
森本 雄矢 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 准教授 (60739233)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | 椎間板 / 力学刺激 / 線維輪 / BioMEMS / 生体模倣デバイス / Pax1 / 硬節 / 再生医療 / 3次元モデル / 細胞外マトリックス / PDMS / MEMS / メカニカルストレス / 伸展刺激 / エンハンサー / 3次元培養 / マイクロ流体デバイス |
研究開始時の研究の概要 |
椎間板で発現する転写因子Pax1の組織特異的な発現制御配列を利用して,線維輪前駆細胞をGFPにより可視化し,生体より高純度に分離・培養する手法を確立する.さらに,椎間板は持続的な力学場で形成および崩壊へと至る組織であることに着目し,MEMS技術により組織内の力学場を微小空間内に再構成した3次元力学刺激培養系を開発する.現在,椎間板の形成制御に関する研究は初代培養細胞または移植などによる動物実験が主流であるが,本研究により3次元椎間板組織モデルが構築できれば,椎間板の形成・成熟化に関わる分子メカニズムの解明および再生のための創薬スクリーニング系として新たな研究基盤になると期待される.
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研究成果の概要 |
生体内における椎間板組織の変形を模倣するため、円形培養チャンバーの中央部に髄核を模倣した伸縮性のバルーンを設置し、培養ゲル組織の円周方向に力学刺激を負荷可能な伸展培養デバイスを作製した。同デバイスにおいて特定のECMを用いて線維輪細胞のゲル内培養を行うことで、自己組織化が顕著に促進されリング状の椎間板様培養組織を構築することに成功した。また、繊維輪細胞は、伸展刺激により線維性組織分化が亢進し、軟骨性組織分化が抑制されることを見出した。本研究を通じて、3次元椎間板組織構築のための基盤となるデバイス開発および組織の力学刺激応答性に関する知見を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
椎間板を構成する線維輪構造の破綻は、椎間板ヘルニアをはじめとする種々の椎間板変性疾患を引き起こす。本研究では、椎間板組織に生じる力学刺激を模倣した培養デバイスを開発することで、3次元椎間板組織モデル構築のための培養技術の開発および椎間板線維輪細胞の力学刺激応答性について明らかにした。これらの基盤技術および知見は、椎間板の形成・成熟化に関わる分子メカニズムの解明および組織再生のための創薬スクリーニングなどに資するものと期待される。
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