研究課題/領域番号 |
19K22956
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
|
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
生嶋 健司 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20334302)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 臓器線維化 / コラーゲン / 超音波 / 圧電性 / 音響誘起電磁法 / 線維化 / 圧電効果 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、超音波を利用する新手法――音響誘起電磁(ASEM)法――を用いて、非侵襲に臓器の線維化を定量可視化する基盤技術を提供することである。安全で繰り返し検査を行うことができる線維化の診断技術の確立は、循環器系、泌尿器系、消化器系、呼吸器系等の治療判断に大きく貢献することが期待される。
|
研究成果の概要 |
音響誘起電磁法(ASEM法)は、超音波(音圧)により誘起される電気分極(圧電分極)を検出する方法である。この分極は、一軸対称性をもつコラーゲン等の線維組織の圧電性に由来する。そこで、臓器の慢性疾患に伴う過剰なコラーゲンの蓄積が検出・画像化されることが期待される。本研究では、ラットの慢性心筋梗塞モデルおよび腎不全モデルを用いて、線維化の可視化検証を行った。その結果、①健康な心臓では分極がほとんど観測されないため、心筋梗塞モデルにおいて明確なコントラストをもって線維化分布が得られた。②腎臓については、健全な腎臓でも分極が観測されたため、分極発生面積比として評価したところ、明確な有意差が得られた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
臓器の線維化は、心臓、腎臓、肝臓および肺など、慢性疾患において普遍的に認められる組織変性である。通常、患者から組織の一部を摘出して分析する生体検査(生検)が行われている。生検は患者への負担が大きいため、非侵襲検査が強く求められている。本研究により、超音波を用いた新手法(音響誘起電磁法)を用いて心臓や腎臓等のコラーゲン蓄積を直接画像化できることが実証された。音響誘起電磁法による線維化診断の実現は、患者の負担を軽減し、予後予測が頻繁に検査できる診断技術として新たな価値をもたらすことが期待される。
|