研究課題/領域番号 |
19K22962
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
氏原 嘉洋 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80610021)
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研究分担者 |
毛利 聡 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00294413)
中村 匡徳 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20448046)
西辻 光希 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 准教授 (60770823)
花島 章 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70572981)
橋本 謙 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (80341080)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 鳥類 / 心臓 / 心筋細胞 / カルシウム / ウズラ / ラット / 筋小胞体 / バイオメカニクス / 循環生理学 / メカノバイオロジー / 哺乳類 / 両生類 / バイオミメティクス / 比較生理学 / 心不全 |
研究開始時の研究の概要 |
我々哺乳類の心筋細胞にはT管膜が存在し、この特殊構造は高い心機能を発揮するのに必要不可欠である。重篤な心不全では、T管膜が崩壊していることが知られているが、その根本的な対策は未明である。 鳥類は、哺乳類と同様に高い心機能を有している。しかし驚くべきことに、哺乳類に必須であるT管膜は、鳥類の心筋細胞には存在しない。そこで本研究では、T管膜の崩壊した重篤な心不全に対する革新的な治療戦略の創出に向け、鳥類の心臓を階層的・多面的な視点で解析し、T管膜なしでも高い心機能を発揮する仕組みを明らかにすることを目指す。従来の哺乳類のみの知見に基づく治療とは根本的に異なる戦略の創出につなげたい。
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研究実績の概要 |
心臓のポンプ機能(心機能)は,心筋細胞の緻密なCa2+管理による効率的な収縮・弛緩に支えられている.重篤な心不全では,T管膜が崩壊することが知られているが,その根本的な対策は未だ見つかっていない. 鳥類は,哺乳類と同等以上の高い心機能を有している.しかし驚くべきことに,哺乳類に必須であるT管膜が鳥類の心筋細胞には存在せず,鳥類には独自の驚くべきシステムが存在することが予想される.本研究では,鳥類がT管膜なしでも高い心機能を発揮する仕組みを明らかにすることを目的とし,T管膜の崩壊した重篤な心不全に対する革新的な治療戦略の創出に貢献することを目指した. これまでに,鳥類のウズラ(成体)と哺乳類のラット(成体)の単離心筋細胞のCa2+濃度変化を解析し,鳥類は優れたCa2+排出能力を獲得することで,迅速なCa2+濃度変化を実現していることを明らかにしてきた.コロナウイルス感染の流行により大幅に研究が遅れていたため,本年度はこれまでの成果を論文としてまとめるとともに,新たにウズラ胚由来培養心筋細胞の解析を行った.孵卵10日前後のウズラから心筋細胞を単離し,静置培養したところ,Ca2+の上昇時間,下降時間ともに,ウズラの成体に匹敵する値を示した.一方,ラットの新生児から単離した心筋細胞においては,同程度の期間培養しても成体ほどにはCa2+管理能力は発達しなかった.以上より,鳥類の心筋細胞は,哺乳類よりも培養条件下で高い心機能を獲得する可能性が示唆された. これらの成果は、T管膜がなくても迅速なCa2+濃度変化が可能であることを示しており,T管膜が崩壊しても心機能を維持できる可能性を示唆している.この知見は,重篤な心不全において壊れたT管膜を補完する新しい治療戦略の開発に寄与する可能性があり,T管膜に頼らない心筋細胞の機能回復を目指した革新的なアプローチの創出に繋がることが期待される.
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