研究課題/領域番号 |
19K22976
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
仲村 英也 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00584426)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 細胞膜透過 / 細胞内導入 / ナノ粒子 / 細胞膜 / ナノバイオ界面 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞にダメージを与えずに、細胞の中に化合物を効率よく送達できれば、究極の細胞内送達手法となる。本研究では、申請者が最近見出した「ナノ粒子が誘起する局所膜電位増強によって細胞膜にナノ細孔があく」新奇な現象を利用して、細胞にとって無痛針のような究極の低侵襲送達手法の萌芽に挑戦する。検討では、平面脂質膜法と顕微鏡観察を組み合わせた実験系を独自に構築して実験を行う。同時に、分子動力学計算でナノ粒子と細胞膜の界面電気現象を解析する。本研究は、この前人未踏のナノスケール細胞膜穿孔を、ナノ粒子が誘起する局所膜電位増強で実現する、これまでになかった独自の戦略・考え方に基づいた挑戦的研究である。
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研究成果の概要 |
細胞にダメージを与えずに、細胞の中に化合物を効率よく送達できれば、究極の細胞内送達手法となる。本研究では、申請者が最近見出した「ナノ粒子が誘起する局所膜電位増強によって細胞膜にナノ細孔があく」新奇な現象を利用した低侵襲送達手法を提案し、そのコンセプトを実験により実証した。具体的には、ナノ粒子と送達化合物が共存した環境下に微弱な電場を印可することで、送達化合物が低侵襲で細胞膜を透過する可能性を、平面脂質膜(人工細胞膜)実験により検討した。その結果、ナノ粒子存在下で微弱な電場を印加することで膜の透過性が向上することを実証した。また、物質透過前後で膜の質が同等であり、低侵襲な膜透過が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞の外から中に化合物を送達する技術は、再生医療用細胞やバイオ医薬品製造など多くの医工学分野において重要な技術である。この際、細胞にダメージを与えずに、送達化合物が細胞膜を透過し、細胞内に送達されることが理想である。本研究は、微弱な電位とナノ粒子の電荷を重ね合わせることで引き起こされる局所膜電位増強を利用して、ナノスケールの細孔を開け、低侵襲での細胞外物質送達を検討した。その結果、ナノ粒子存在下で微弱な電場を印加することで膜の透過性が向上することを観測した。また、物質透過前後で膜の質が同等であることから低侵襲な物質の膜透過が示唆された。
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