研究課題/領域番号 |
19K22983
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
六車 恵子 関西医科大学, 医学部, 教授 (30209978)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 神経発生 / 神経ネットワーク / オルガノイド / iPS細胞 / イメージング / 複合型脳オルガノイド / 領域間神経ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
神経科学の目標のひとつは、ヒトの脳の発生・構造・機能を科学的に理解し、その知見を神経・精神疾患の克服に活用することにある。本研究はヒトiPS細胞から脳組織を自己組織的に分化誘導するオルガノイド技術を革新し、脳の領域間機能ネットワークを培養下で構築することで、この目標に挑戦する。既存技術の限界を突破し、異なる脳領域組織を共培養する複合型オルガノイドの作製と、非神経細胞の混和による複雑系脳オルガノイドの作製により、解剖学的・機能的神経回路網を再現する。これまで技術的・倫理的に困難であったヒト脳に関する実証研究を行うための新たなツールを開発し、ヒト脳のin vitro研究を自由に使える環境を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、ヒトiPS細胞から3次元立体脳組織を自己組織的に分化誘導できるオルガノイド技術を基盤として、ヒト脳の領域間ネットワークを培養下で構築することに挑戦した。この再現系を、ヒト脳機能の理解・精神・神経疾患の病態解明のためのin vitroモデルとして展開することに成功した。世界的にも複数存在する既報のオルガノイド技術はいずれも組織構築の再現がヒト胎生期の20週齢前後に留まり、発生や機能解析を実施するには未だ十分ではない。既存技術の改良とともに、共培養系を駆使することによる機能解析技術を開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトiPS細胞の分化誘導技術(オルガノイド技術)を革新して、ヒトの脳神経ネットワークを人工的に創り出し、構造と機能を計測して解析するまでの一連の技術開発は、人の脳に関する実証実験を行うための標準プラットフォームを構築することが可能になる。様々な分野の研究者が研究材料として解析できる環境が整い、分子・細胞・組織・器官の各レベルにおいて実験動物研究と同等の実証実験を自由に実施できるようになり、ヒト脳に関する科学的知見が加速度的に増大すると予想される。また、精神・神経疾患等の克服に関して重要な寄与をすることも期待できる。
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