研究課題/領域番号 |
19K22997
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
坂口 愛子 (藏田愛子) 東京大学, 総合研究博物館, 特任研究員 (40843024)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 大学紀要図版 / 画工 / 図版 / 大学紀要 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、明治期の東京大学紀要に掲載された「図版」を対象に、学術論文に添えられた図版の表現傾向を分析、明治期の学術成果公表における図版の重要性を指摘するものである。主な対象は、1877年に創立した東京大学がその初期に出版した4種類の大学紀要『メモワール』『理科会粋』『帝国大学紀要医科』『帝国大学紀要理科』の図版である。当該紀要に載る図版は、論文筆者や大学雇い画工の手により細密に原画が描かれ、高い印刷技術によって仕上げられている。明治期の東京大学による学術成果の国内外発信においては、論文の重要性に加えて、研究の内容を視覚的に伝える図版も重要な役割を担っていたと考えられる。
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研究成果の概要 |
本研究では、明治期の東京大学で出版された大学紀要のうち、『メモワール』『理科会粋』『帝国大学紀要理科』『帝国大学紀要医科』の図版調査を実施した。各論文の図版使用やサインの有無等を把握することにより、描画を専門とする大学雇いの画工のみならず、論文執筆者がみずから図版の原画を手がけていた傾向が明らかとなった。明治期の東京大学による学術成果の国内外発信においては、論文に添えて研究内容を視覚的に伝える図版が重要な役割を担っていたと考える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
東京大学初期の大学紀要の図版調査によって、当時の理学系や医学系の論文には、優れた描写能力と印刷技術によって作り出された図版が挿し込まれる傾向を看取することができた。大学紀要の図版に着目した本研究は、日本近代美術史において学問の視覚的表現を扱う研究の可能性を示す学術的意義があると考える。
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