研究課題/領域番号 |
19K22999
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
岡坂 桜子 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 研究員 (60843985)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | タピスリー / ギュスターヴ・ジェフロワ / ゴブラン / 美術史 / 美術行政 / ゴブラン製作所 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、国立ゴブラン製作所で制作されたタピスリー連作「フランスの諸地域と諸都市」(1909-1930年)の考察を通じて、第一次世界大戦から戦間期のフランスにおける、「公的」美術の形成やそれを支える美術行政の意思決定のプロセスを解明することを目的とする。今日では忘れ去られた下絵作家が国家プロジェクトに選出される過程や、本連作の同時代評価を検証することで、「前衛的な」様式を「主流」とみなしてきた従来のフランス近代絵画史におけるモダニズム史観とは別な、絵画史の提示を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、20世紀前半期のフランスの国立ゴブラン製作所において、所長ギュスターヴ・ジェフロワの指揮下で行われたタピスリー近代化への刷新運動に関する考察を通じ、美術行政主導の「公的美術」の形成の一つのあり方を明らかにしようとするものである。とりわけ中核的な位置を占める連作「フランスの諸地域と諸都市」の制作プロセスや、製作所内の諮問期間である「ゴブラン審議委員会」の役割に着目し、起用された下絵作家が当時の美術界の「前衛」ではない傾向にあることや、製作所の運営が必ずしも所長の独断で遂行されるものではない点等を考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で扱う「ギュスターヴ・ジェフロワと国立ゴブラン製作所」というトピックは、「ジェフロワ研究」「近代タピスリー史」という双方の研究領域において看過されてきたテーマであり、本研究がその嚆矢と位置付けられる。また、具体的な考察対象となる作品は、これまでのフランス近代絵画史を形成してきたモダニズム史観に基づく評価からはこぼれ落ちてきたものが多く、これらの作品の再検証と美術史的な位置付けは、従来のフランス近代絵画史に新たな評価軸を提起しうると考えられる。
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