研究課題/領域番号 |
19K23005
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
朱 喜哲 大阪大学, 文学研究科, 招へい研究員 (50844908)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 言語哲学 / プラグマティズム / 倫理的・法的・社会的課題(ELSI) / 行動データ / society5.0 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではプラグマティズム言語哲学の観点から「Society5.0」等として構想される行動データ駆動型社会における課題を明らかにする。行動データとは位置情報や購買データ、Web閲覧データなどを指す。これらはアンケート回答のような意識データとは異なり、取得されている自覚が薄い。行動データの充実はナッジ手法として知られるような、意識をともなわない因果的な介入を可能にし、よりスマートな社会を実現する基盤となっている。他方、こうした構想はコミュニケーションを「理由」のやりとりとして構想したプラグマティズム言語哲学とは緊張関係にある。本研究では、社会課題の解明を通じて「因果」と「理由」の関係を問い直す。
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研究成果の概要 |
本研究では、ことばの意味について、その使用シーンに注目することで明らかにすることをめざすプラグマティズム言語哲学における推論主義の立場から、理論的研究および応用的研究として社会的課題への適用を進めてきた。 まず理論的側面においては、推論主義の位置づけについての哲学史研究について複数の論文を公刊するとともに同分野の重要著作の邦訳を行うなど、研究環境の整備もおこなった。 応用的側面においては、ELSI(倫理的・法的・社会的課題)をキーワードとして行動データ時代の課題について、ヘイトスピーチの問題など各種社会課題の明確化について分析し、各種メディアでの発信も実施した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
言語哲学における有力な立場のひとつである推論主義について、とりわけその思想史的系譜を見直す研究を推進し、中心的人物であるロバート・ブランダムの主要文献についての邦訳をおこなうなど、理論的研究のための基盤整備を実施している。 こうした理論的基盤を背景として、ヘイトスピーチや陰謀論などの今日的な社会課題について、より明晰に課題を理解し、論点を検討するための理論的道具立てと概念を提供してきた。応用研究に際しては、文理融合での学際研究プロジェクトに発展している。
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