研究課題/領域番号 |
19K23006
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中村 真菜美 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 招へい研究員 (10845548)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 美術史 / 近世絵画史 / 送別画 / 近世美術史 / 画家の移動 / テクストとイメージ / 近世絵画 / 中央と周縁 / 比較美術史 / 移動と越境 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「作品制作における「場」の作用」や、「異文化の摂取とその変質」というテーマを見据えながら、江戸時代における絵画制作のあり方を「送別」という観点から読み解くことを目指す。近世における移動の活発化と人的ネットワークの広がりがどのような絵画様式を要請したかという課題を念頭に、「送別」に関わる近世絵画の傾向を探る。この際、テクストとイメージの関係を重視して、具体的な作品解釈を進める。そして、室町時代における詩画軸からの「送別画」の展開を追うとともに、日本の送別文化の淵源と言うべき中国の送別文化との関係について比較検討を試みる。
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研究成果の概要 |
本研究は江戸時代における絵画制作のあり方を「送別」という観点から読み解くことを目的とする。 これまでの調査から得られた成果としては、第一に江戸時代の送別画を概観し、画題の傾向や機能を具体化することができたことが挙げられる。特に18世紀半ばから19世紀初頭は、現実の人物・出来事に強い関心を示す「送別画」が現れる一画期であることが確認できた。第二に室町時代の詩画軸からの展開、中国の送別画との影響関係を検討し、中国古典に立脚した「見立て」的な送別画のあり方を捉えることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義としては、第一にこれまで殆ど検討されてこなかった近世の「送別画」について作例を把握し、画題解釈を通して傾向を捉えることができた。第二に、東アジア文化圏の広がりにおける日本の「送別画」の位置づけを試み、中国文化の摂取と変容のあり方の一端を明らかにすることができた。 これらの成果は学会発表や一般向けの講座において公開し、社会的に還元することができた。また論文にもまとめており、今後査読付学術誌に投稿する予定である。
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