研究課題/領域番号 |
19K23007
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
田中 水萌 神戸大学, 人文学研究科, 人文学研究科研究員 (70844984)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 日本美術史 / 仏画 / 神将形図像 / 仏教絵画 / 美術史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、仏画や絵巻に描かれた天部などの神将形図像において、その「形」のみに着目し、異なる尊格間における図像の転用関係を見出すことで、図像の意味や伝来の継承を目的とせず、その「形」のみが型紙のように扱われていたということを示す。とくに平安時代末から鎌倉時代にかけて、図像家や画僧らによって図像の収集が行われたことから、図像の転用関係を見出すことで、逆に制作に関与した人物などを検討し、制作時における文化の様相にも視野を広げていきたい。 多くの図像を年代ごとに整理し、比較することで、神将形図像の継承についての基礎研究となることを目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究においては、仏画上の本尊の周辺に描かれている天部の諸尊のうち、武装した尊格を神将形と称して取り扱い、尊名に関わらず異なる尊格間で図像の転用・引用が行われ、図像の「形」のみが型紙のように扱われていたことを検討した。 十六善神および二十八部衆を中心に図像を比較した結果、複数の作品において異なる尊格間で白描図像等を引用・転用し、本尊を囲繞する天部等の図像を構成する作例が見出せたことから、図像を型紙としてその「形」のみを用いて新たな図像を作成していることが明らかであった。課題は多くあるが、今後神将形図像を検討するうえで基準となる成果は得られた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本尊の周囲に描かれる天部等の研究において、作品個別の図像的な典拠を求めることはあっても、逆に典拠となった図像がその作品を含めてほかのどのような作品に引用・転用されたのか、大系的にまとめられることがなかった。 本研究は多くの図像を比較することで、神将形図像の引用・転用関係について、また複数で構成される天部等の像容についての基礎的な研究となることを目的としたため、今後の本分野の研究の発展に貢献する可能性を有する。
|