研究課題/領域番号 |
19K23011
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
芦田 彩葵 神戸大学, 人文学研究科, 人文学研究科研究員 (10844996)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アメリカ美術 / 戦後美術 / 抽象絵画 / 抽象表現主義 / ミニマル・アート / マーク・ロスコ / アドルフ・ゴットリーブ / アグネス・マーティン / バーネット・ニューマン / ロバート・マザウェル / グリッド絵画 / 戦後アメリカ美術 / クリフォード・スティル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、アメリカの抽象表現主義の画家マーク・ロスコ(1903-1970)の絵画における画面構成と表面性について考察し、ミニマル・アートとの関係から、ロスコ作品の美術史上の位置づけを再定義することを試みる。本研究では、(1)これまで十分に論じられてこなかった画面構成や表面性に着目し、同時代の抽象表現主義の画家たちの作品と比較検証することで、ロスコ作品の独自性について考察する。さらに、(2)その独自性によって、ミニマル・アートを中心に抽象表現主義以後の絵画にどのような影響を与えたのか、新たな視点からその解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、1950年代に隆盛した抽象表現主義の画家マーク・ロスコの作品について、これまで十分に検証されてこなかった構図を焦点に作品分析を行い、ロスコ作品の独自性について検証した。その上で、60年代以降の後続美術、なかでもミニマル・アートにどのような影響を与えたのか、1961年のニューヨーク近代美術館での個展に対する展評や若手作家の言説を考察することで明らかにした。また抽象表現主義とミニマル・アートをつなげる画家としてアグネス・マーティンを取り上げ、ロスコとマーティンの様式を分析し、当時の批評を検証することで、両者の作品における関係性や60年代の美術をとりまく状況について明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで十分に論じられてこなかったロスコの矩形による画面構成に着目することで、ロスコ作品が、絵画の形態や物質性を追究したミニマル・アートと同じ問題意識を有していたことが判明した。加えて、作品と空間の問題、時間を伴う鑑賞体験など他の共通点も浮かび上がってきた。本研究は、抽象表現主義の反動として出現したとされてきたミニマル・アートが抽象表現主義から多くを受容していたことを明らかにし、戦後美術史において抽象表現主義が果たした役割について新しい解釈を提示した点に意義がある。
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