研究課題/領域番号 |
19K23014
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
森 元斎 長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (40846052)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ホワイトヘッド哲学 / アナキズム思想史 / 美的なもの / 相互扶助 / 自然 / 具体性 / 生の哲学 / 哲学 / 思想史 / 美学・芸術学 / アナキズム / ホワイトヘッド / 文化研究 / 社会思想 / アナキズム思想 / 美的存在 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、現代の私たちが抱える諸問題、とりわけ人間・社会・自然・文化の領域における共同性の崩壊という問題系に対して、「具体性」「相互扶助」「美的なもの」という概念的枠組みから、新たな共同体の確立について哲学・思想の観点から検討を加えていくことにある。 ホワイトヘッド哲学をはじめとした現代哲学や、アナキズム思想の観点から、上述の概念群を析出し、社会存在論の構築を行うことで、現代世界が抱える諸問題に資する議論を提供する研究になると予想される。
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研究成果の概要 |
ホワイトヘッド哲学における「具体性」「美的なもの」という概念と、アナキズムにおける「相互扶助」「自然」という概念を軸に据え、社会における紐帯としての「美」についてどのように論じられるのかを明らかにした。里山などでの生活基盤において労働が自然に働きかけをしていき、美的なものを探究していくことを明らかにした。ここでいう美的なものとは、人間が自然に適度に働きかけることによって生じる秩序のことであり、それによって生活が可能になるあり方である。過剰な自然への介入ではなく、生活や自然に強制を行うのではなく、受動的な存在としての人間という観点を具体的なものとして据え、自然と中動的に労働することである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
都市での暮らしではなく、里山での生活実践の中で、資本主義とは異なる生の営みを構想することで、私たちの生が一つではなく、諸々の可能性に満ちていることを社会的意義として成果を表した。その一方で、原理論的なホワイトヘッド哲学や歴史上の抵抗の運動史が一体どのように駆動していったのかを学術的にも明らかにした。そこには美的なものが中心に据えられているのである。
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