研究課題/領域番号 |
19K23024
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
三浦 太一 中部大学, 人文学部, 講師 (60847531)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 古代ギリシア哲学 / プラトン / 自己知 / 古代ギリシア / ギリシア哲学 |
研究開始時の研究の概要 |
古代ギリシア思想、特にプラトンの哲学において、自己知は単に知の一形態というだけでなく、人間が達成すべき目標として考えられている。それゆえ、自己知は人間の生における根幹のテーマとなる。プラトンは複数の作品を通じて、自身の無知を自覚する重要性を提示すると同時に、自己知に纏わる困難をも指摘している。本研究は、彼が見出した問題と、それに対する応答の両方について明らかにすることを目的とする。人間と同等の知的能力の可能性をもった人工知能の出現を目前とした現代において、それらに相対しながら、我々が何者であり、何者であるべきか見定める術を、西洋哲学の基盤たるプラトンの思想に発見することを目指す。
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研究成果の概要 |
古代ギリシア思想、特にプラトン哲学における自己知を解明する為の研究を行った。研究方針として、まずプラトンが見出した自己知に関する問題、また、自己知を欠いた問題のある状態を把握し、それら問題に対応した、いかなる自己知がありうるかをプラトン著作から示そうとした。この方針に基づき、『カルミデス』、『イオン』篇を分析することで、自己知の難しさとその欠如の実態を考察することを試み、更に『パイドロス』篇において、恋の狂気と共に哲学者が行っている自己把握のありかたを明らかにした。前者に関して、一本の論考の発表と一件の国際学会口頭発表を、後者に関しては、一本の論考の発表と一件の国内学会口頭発表を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自己が一体何者であるかと言う問いを、人間は常に持ち続けていると思われる。特に我々は、高度な知性を人間の最たる特徴としてきたものの、現代において、人間を超える知的能力の可能性をもつ人工知能と対面することになった。優れた知性を人間特有のものとはできなくなった今、私あるいは我々は何者かという問題は一層深刻なものとなっている。このような問題に対応する為に、プラトンが提示する自己知の問題と可能性を理解し、活用するという企図を、本研究は有している。具体的には、自己知そのものについての考察方法や、自己知を欠くことの問題、いかなる自己知ならば可能なのか、といった事柄を提示しようとしている。
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