研究課題/領域番号 |
19K23027
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
鈴木 崇志 立命館大学, 文学部, 准教授 (30847819)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 現象学 / 共同体 / 他者論 / フッサール / 倫理学 / 現象学的社会学 / 現象学的倫理学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、20世紀初頭にE・フッサールによって創始された現象学という哲学的方法論を用いて、共同体を形成する際の経験(ある主観と他の主観が身体や言語を介して出会うという経験)を解明するための理論として、現象学的他者論を確立することを目ざす。この現象学的他者論は、現代に至るまで発展を遂げてきた現象学的社会学と現象学的倫理学にとっての、統一的な基盤となる。
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研究成果の概要 |
本研究においては、現象学の見地からの「共同体」概念による他者論の基礎づけという目的を達成するために、まず現象学的における「共同体」概念の網羅的検討が行われた。この検討は、現象学の創始者フッサールの「共同体」概念を、「記憶」や「歴史」という概念との関わりにおいて解明し、さらにそれを他の現象学者たちの「共同体」概念と比較するというかたちで行われた。そして本研究は、この「共同体」概念を軸として、共同体の形成の諸段階における他者の表れを記述するための理論を、現象学的他者論として提示した。この現象学的他者論の構想は、単著『フッサールの他者論から倫理学へ』(2021年)においてまとめられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「共同体」という概念は、哲学のみならず、社会科学の分野などにおいても基礎的なものである。本研究は、この概念を、ドイツの哲学者エトムント・フッサールの創始した「現象学」という方法に沿って考察した。現象学は、世界で生きる私の一人称の観点から現れるものの記述を通じて、各種の学問領域における基礎概念を解明するための方法である。この方法に沿って、私が他者と出会い、コミュニケーションを通じて社会を形成する過程を記述することが可能となる。これにより「共同体」概念を軸とすることによって「他者」について体系的に論じることが可能となり、法や倫理などの規範を現象学の見地から論じるための視座が与えられた。
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