研究課題/領域番号 |
19K23028
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
松田 智裕 立命館大学, 文学部, 研究員 (00844177)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 哲学教育 / 教師 / 脱構築 / ジャック・デリダ / フランス思想史 / デリダ |
研究開始時の研究の概要 |
1974年にJ・デリダを中心に「哲学教育研究グループ」が組織され、そこでの議論が後に、「哲学の三部会」というフランス全土を巻き込む哲学教育運動へと発展したことはよく知られている。しかし、この運動の背景にあった思想史的な文脈や議論の実態については不透明な点も多い。そこで本研究は「教師」の問題を軸に、この時期のフランスにおける哲学教育運動を思想史的に検討することで、その問題史的文脈や主要論点の整理を行う。それによって、「哲学教育における教師の役割」をめぐって、当時のフランスでどのような議論があったのかを立体的に明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、戦後フランスの哲学教育論の展開を「哲学教師」という観点から思想史的に明らかにすることを目的とするものである。具体的には、まず、1960-1970年代のフランスにおいて「哲学教師」というテーマをめぐっていかなる議論がなされてきたのか、それがGREPHにはじまるデリダの教師論やGREPHとは別の潮流に属する教師論とどのような関係にあるのかを検討した。それにより、デリダの教師論の背景、そしてこの時期のフランスにおける議論の連続性を示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の意義は、これまで近代的な大学モデルの乗り越えという文脈で語られることの多かったデリダの哲学教育論を「哲学教師」という視点から考察することで、彼の教育論を1960年代にはじまる哲学教師論の系譜に位置づけ、この時期の思想家が教師と政治、権力、学校制度の関係性という主題を共有していたことを明らかにした点にある。これら一連の議論は「教育と政治」を哲学教育の視点から問題にしたものであるという点で、現代において前景化している「知と政治」の問題を問い直す手がかりになることが期待される。
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