研究課題/領域番号 |
19K23035
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
宮本 淳子 東京学芸大学, 教育学部, 研究員 (10849087)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 日本語学 / 表記史 / 書記意識 / 平仮名 / 書道史 / 入木道 / 表記 / 文字史 / 漢字 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、中世から近世における「書」の習得に関わる伝書(入木道(じゅぼくどう)伝書)を対象とし、日本語史の立場から、伝書を通じて伝えられてきた様々な「書」に関わる知識や認識、文字の習得過程などを検討することを目的とする。 そのため、田藩文庫旧蔵本(約190点)をはじめとする入木道伝書を調査し、記述された内容を手がかりに、当時の人々の書記意識の解明をすすめる。同時に「寛永三筆」など、近世の能書資料に見られる仮名字体について、計量的調査を継続し、字体の変遷や、書流の形成過程との関係についても明らかにしていく。
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研究成果の概要 |
本研究は,近世能書資料を対象に,表記実態及びその変遷を明らかにすること,また,入木道伝書の記述を検討し,当時の人々が書や文字に対してどのように捉えていたか,書記意識との関係を解明することを目的として研究を進めた。 調査の結果,入木道によって支えられた伝統的文字体系があること,また,田藩文庫旧蔵持明院流入木道伝書に,文字・表記に関する具体的な指示を含む資料が存することが明らかとなった。例えば,古今和歌集を書写する際に紙面をどのように構成し,漢字や仮名をどの程度交えるかといった内容である。さらに,書記実態との照合から,伝書内容が持明院流の能書家によって忠実に実践されていたことも判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、物語中の書や文字に関わる語を解釈する際、書論等が二次的に利用されることはあったが、入木道伝書の内容を検証し、表記現象との関係を位置づけた研究は少なく、本研究は日本語学と書学書道史の研究成果とを有機的に関連づけていく点に特色がある。 特に、古今和歌集など、和歌を用いた従来の表記研究では、説明することが難しかった、表記実態、漢字や仮名表記の分析方法を見直し、書記意識についても考察した点に本研究の意義が存する。
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