研究課題/領域番号 |
19K23039
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
稲葉 瑛志 三重大学, 人文学部, 准教授 (10848980)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 保守革命 / エルンスト・ユンガー / 政治神学 / 黙示録 / 宗教思想 / 政治思想 / ナチズム / 保守主義 / 危機 / ユートピア / ドイツ文学 / 思想 / 宗教 / 思想史 |
研究開始時の研究の概要 |
20世紀ヴァイマル共和国における「保守革命」の黙示録の思想をテーマに研究をおこなう。その代表的な思想家エルンスト・ユンガーの「政治神学」の言説を中心にすえる。 従来の研究では、「保守革命」における宗教性の問題を中心に論じたものが少なかったこともあり、彼らの「政治神学」の言説がこの思想における政治と宗教とを切り結ぶ重要な接点であることが十分に指摘されなかった。本研究では、その点に着目し、ユンガーの政治文書と未発表の書簡から、「政治神学」の言説を、革命・共同体・空間という三つの思想的要素にもとづき分析する。その後、他の思想家たちの思想と比較考察し、かれらの黙示録の思想の全体像を照らし出す。
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研究成果の概要 |
ヴァイマル共和国の急進右派の思想「保守革命」における黙示録の思想を明らかにすることが本研究の目的であった。とりわけ作家エルンスト・ユンガーの「政治神学」の言説に焦点を当て、このテーマを考察した。「政治神学」は、この思想における政治と宗教とを切り結ぶ重要な接点であり、その考察はしたがって彼らの思考法や歴史思想を解明する鍵でもある。本研究ではユンガーの政治文書(1919-1933)と未発表の書簡からこの言説を分析し、その分析結果を他の保守革命の思想家たちの思想と比較考察することを通じて、この時代の思想的布置を再構成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、ヴァイマル共和国の急進右派の思想「保守革命」における政治と宗教を切り結ぶ問題を解明し、この時代の思想を文学・政治思想・宗教思想など領域横断的に考察した点にある。この研究を通じて、従来見落とされてきた「保守革命」の黙示録の思想の内実に迫ることができた。また、この観点から考察することで、ナチズムと同一視されてきた「保守革命」の「ナショナリズム」の独自性を明らかにし、同時代の思想的布置も再構成した。
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