研究課題/領域番号 |
19K23046
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
橋本 貴子 神戸市外国語大学, 外国学研究所, 客員研究員 (00844416)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 対音資料 / 梵漢対音 / 霞浦文書 / 軽唇音化 / 脱鼻音化 / 音訳漢字 / 義浄 / インドの方言音 / サンスクリット / インドの文字史 / インドの方言 / 唐代音韻史 / 7世紀 / 非鼻音化 / 中国語音韻史 / 中古音 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、唐代の音韻・音声変化の具体的な様相について対音資料を用いて解明することにある。漢文仏教文献中の音訳漢字と近年発見された漢訳マニ教文献の音訳讃歌とを主な資料として、初唐期の(1)微母と日母の音価および(2)軽唇音化について検討を加える。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、唐代に起きたと言われる軽唇音化の進行状況および微母と日母の具体的な音価について、対音資料を用いて解明することにある。研究によって、7世紀半ば以降には軽唇音の唇歯音化がある程度進行していたこと、微母は十分な摩擦音化および非鼻音化は生じておらず鼻音的要素が保存されていたこと、一方で武后期頃の成立と目される対音資料に日母の摩擦音化の反映が見られることを明らかにした。以上に加えて、義浄の音訳漢字においてサンスクリットの/v/が並母[b-]で音訳される傾向は漢語側の問題に起因するものではなく、基本的にはインド側における/v/と/b/の混乱を反映した可能性が高いことを指摘した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、初唐期の音韻状況を明らかにしただけでなく、漢訳仏典や漢訳マニ教文献の文献学的研究にも寄与するものである。更には初唐期に東アジアや中央アジアで成立した対訳資料、対音資料に基づく歴史学的研究にとっての言語学的基盤にもなりうると考えられる。
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