研究課題/領域番号 |
19K23049
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
水野 真紀子 明治大学, 理工学部, 専任講師 (90848566)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 記号論 / 文字論 / 認知記号論 / 記号論 認知 文字 / 認知 / 文字 / 漢字 / 視覚と言語 / 眼球運動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、鑑賞者が文字を介して書記情報からどのような言外の意味を得て解釈を行っているのか、創造的な書記表現についての解釈行為と審美的な鑑賞行為の間にどのような相違点が見出せるのかを、質問紙を用いた統計的調査や眼球運動測定などの実験手法を用いて明らかにするものである。特に、文字を介して視覚・聴覚・言語情報など様々な意味が交差する場である日本語の書記言語について認知意味論的な視座から考察を行う。
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研究成果の概要 |
研究期間の前半は、書き言葉の問題を言語相対性の議論の一つとして捉え、それを検証するための理論的モデル構築を行ない論文にまとめた。研究期間の後半は、「ブーム」と評される近年の短歌の受容と第二次世界大戦後のドイツ語圏で関心を集めた具体詩との比較から、短型詩における文字選択の効果について検証した論文を執筆した。また、アンケートによる量的な手法、眼球運動測定装置による質的な手法を用いて、短歌を読む際の文字選択の効果を多方向から評価する方法について、国際認知記号論学会において発表予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本では国字の問題として書き言葉の持つ心理的な影響について議論がなされることがある(例えば、障害の「害」の字の扱い)。また、短歌をはじめとした文学的な表現活動においても文字の選択は作者にとっての重要な関心事である。日本語話者の表記への意識の高さは、日本語の書記言語が他の言語と比較して意味に干渉する機能を有しているからに他ならないが、雰囲気で議論を進めるのではなく、本研究が示したように実際にどの程度の影響を持つのかということを理論的に考え、実践的に検証を加えながら日本語の書き言葉の実態を解明しながら議論を深めていくことが必要である。
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