研究課題/領域番号 |
19K23052
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
金 ヨンロン 早稲田大学, 高等研究所, 講師(任期付) (60806595)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 戦争裁判 / 日本文学 / 法と文学 / 戦争犯罪 / 東京裁判 / BC級裁判 / 日本近現代文学 / ポスト・コロナ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、戦争裁判を描いた日本近現代文学を対象にし、法と文学の関係を検討する。「法と文学」とは、法学と文学がともに言語活動であるという観点から開始された学際的研究である。その目的は、それぞれの学問の可能性と関連性とを明らかにし、最終的に文学が如何に法に寄与するか、またその逆は可能かを問うところにあるといえる。本研究では、「法と文学」という議論を単に日本文学に導入するのではなく、むしろ日本文学を通して議論のさらなる展開を目指す。具体的には、戦後日本を通して繰り返し戦争裁判を描いた文学が、法の問題をどこまで意識し、法とかかわる方法を模索したのか、という問いが中心になる。
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研究成果の概要 |
本研究では、日本の近現代における法と文学の関係を明らかにするための基礎的作業を行った。まず、1970年代のアメリカ法学研究から開始された「法と文学」議論の流れを捉え、日本文学研究へ応用する方法を模索した。また、日本文学の研究史から法制度にかかわるものを整理した。そのうえ、研究対象を、東京裁判をはじめとした戦争裁判と戦争裁判を描いた文学に設定した。具体的には、戦争裁判にかかわる文学作品を時期別・ジャンル別に目録化し、リストの中で特に重要なテクストを詳しく検討し、日本における「法と文学」議論の可能性を検討し、戦後日本の具体的かつ歴史的文脈の中で法(国際法、日本国憲法など)と文学の問題を考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
戦争裁判の表象を媒介にそれぞれの時代において法と文学の関係を見つめることは、戦後日本という時代を考えるうえで欠かせない作業であるにもかかわらず、これまで体系的に議論されてこなかった領域である。したがって、戦争裁判の進行中にGHQ/SCAPの検閲という制約のもとで書かれた作品から戦後70年以上が経った現在に到るまで、戦後日本における戦争裁判の表象史全体を対象にした本研究は、新しい試みといえる。「法と文学」の議論を踏まえながら、戯曲、詩、小説、文学者によるエッセイなど様々なジャンルから戦争裁判表象を議論したことで、新たな文学史の視座も提示できたと考える。
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