研究課題/領域番号 |
19K23053
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
柴崎 公美子 早稲田大学, 文学学術院, その他(招聘研究員) (70844140)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 薛家将 / 羅家将 / 清代 / 家将小説 / 宮廷演劇 / 説唐 / 出版文化 / 中国通俗文芸 / 家将もの |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は清代における「薛家将」の物語の拡大と発展について、新しく興った大きな創作の波が背景にあったと捉え、1:清朝宮廷演劇、2:地方芸能、3:他の「家将もの」という三点を研究の視角として導入し、「家将もの」が新たなコンテンツとして各文芸メディアと結びつき、清代後期に興った新しいメディアがそれを取り込んでさらに拡大する状況を解析することで、清代の創作現象の再評価を行うことを目的とする。
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研究成果の概要 |
中国社会において古くから伝承されてきた薛家将故事が清代に至りその登場人物や内容を大きく膨張、増幅させている現象について、従来の研究では伝統的作品の踏襲、焼き直し、集大成という見方に留まり、十分に研究されてこなかった。本研究は清代こそが薛家将故事が最も成長したステージであると位置付け、その膨張、増幅の実態を清代の創作現象の一側面として解明することを目指した。薛家将故事は他の家将故事と結びついて「説唐」シリーズ化を成立させたり、伝統的な故事を新しいスタイルで取り込んで情節を膨張させているという実態を明らかにできた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、中国大衆文化でよく知られる薛家将故事について、時系列の流れに従った縦に連なる発展を重要視する従来の研究視点から離れ、清代各メディアにおける故事内容の膨張、変容を共時的な文学現象としてとらえてその諸点に視座を据えた上で、従来の家将故事研究では研究対象として顧みられることのなかった清代の薛家将故事テキストの読解と分析に真正面から取り組み、薛家将故事がいかに膨張したか、いかに変容したかという点について考察を加え、その背景にある時代性や小説の生成方法、出版文化の有様を浮かび上がらせ、清代の物語創作の一側面を解明しようとした点に意義がある。
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