研究課題/領域番号 |
19K23057
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 (2022-2023) 京都外国語大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
宮尾 万理 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (50851002)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 指示表現 / 談話情報 / 英語学習者 / 談話処理 / 言語的文脈情報 / 非言語的文脈情報 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は出来事を描写する際、登場人物を固有名詞や代名詞などの表現を用いて指し示す。聞き手が効率よく指示対象を特定できるよう、語り手は対象が文脈内でどの程度顕著であるかを測り、その顕著度に見合った指示表現を選択しなければならない。本研究は、中級日本人英語学習者が英語で絵を描写する際に産出する指示表現を分析することで、彼らがどの文脈情報(言語的・非言語的情報)を基に指示対象の顕著度を測るのかを調査する。
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研究実績の概要 |
本研究課題の目的は、第二言語学習者が目標言語で産出する談話の中で登場人物を指し示す際に、言語的文脈情報か非言語的文脈情報、またはそのどちらも使用して指示対象の談話内顕著度を測るのかを調査することであった。コンピューター上に呈示される説明文から得られる言語的文脈情報と、絵から得られる視覚的文脈情報を操作することによって、日本人英語学習者が英語談話産出中に使用する指示表現に違いが出るかを分析した。
日本の大学に在籍中の日本人英語学習者に産出実験に参加してもらい、4つの実験条件から得られたデータを統計分析した。先行研究の中には、高い習熟度を持つ学習者でも、目標言語の指示表現を母語話者同様に使用することができないと報告した研究がある。しかし、本課題の実験材料と手法を用いる限りでは、中級の英語学習者であっても文脈に合わせて指示表現を選択できることを確認した。特に重要なのは、学習者がその選択を行う際に、言語的情報と非言語的視覚情報の両方を使用できた点である。本課題の研究者は以前に、言語的情報しか与えられない条件下では学習者は母語話者同様の選択ができなかったと報告しているが、本課題の結果によって、その原因の特定に一歩近づくことができた。つまり、学習者は言語的情報しか与えられなくても指示表現を使い分けることができるが、本課題と異なる要素――例えば、馴染みのあるキャラクター名ではなく一般的な人名を実験で用いていたこと――が選択を困難にさせていた可能性がある。
最終年度は、有識者の助言を得ながら自身の先行研究と本課題の成果を著書にまとめた。
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