研究課題/領域番号 |
19K23060
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 別府大学 |
研究代表者 |
金城 國夫 別府大学, 文学部, 講師 (10847635)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 記述言語学 / 生成文法 / 格 / 琉球諸語 / 沖縄語 / 奄美語 / 統語論 / 言語類型論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は北琉球諸語(沖縄語、奄美語)を対象に、非典型的な名詞格標示に着目して文法記述を行い、琉球諸語の記述研究および名詞格に関する一般理論の発展に寄与することを目的とする。琉球諸語は日本語と同じく主格・体格パターンを示し、典型的には主語が主格、目的語が体格で標示される。しかし日本語やその他多くの言語で観察されるような属格主語、主格目的語、与格主語などの非典型的な格標示に関してはその有無や出現条件に関して琉球諸語を対象にした体系的記述、理論的分析が十分なされているとは言えない。これらの非典型的格標示パターンに、示唆的目的語標示と埋め込み節への格標示を調査項目に加え、記述及び理論的分析を行う。
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研究成果の概要 |
沖縄本島(与那原町、宜野湾市、金武町)、奄美大島・加計呂麻島(瀬戸内町)の北琉球諸言語・方言の話者を対象に聞き取り調査を行い、特に格助詞ガ・ヌの分布について、これまでの研究で報告されていなかった文構造との関係についての一般化を提示した。具体的には主格助詞ヌの分布が関係節などの埋込文([太郎が食べた]ごはん)、非意志自動詞文(倒れる」など)といった環境で広くなることなどが明らかになった。研究成果は研究会、学会で報告し、国内の専門誌に論文が掲載された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では北琉球諸語・諸方言を横断的に調査し、これまで指摘されていなかった格助詞の分布と文構造の関係について明らかにした。格と文構造の関係については世界中の様々な言語を対象に分析が行われており、本研究の成果は琉球諸語研究を言語類型論や理論言語学の中に位置付け、琉球諸語の特性を明らかにするだけでなく、人間言語に関する一般理論の発展に貢献するものである。また、調査対象となった北琉球語を含む琉球諸語は消滅の危機に瀕した言語であり、本研究で得られた一次データや文法記述はこれらの言語の保存・継承活動のための資料として活用することができる。
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