研究課題/領域番号 |
19K23061
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 舞鶴工業高等専門学校 |
研究代表者 |
荻田 みどり 舞鶴工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20847644)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 源氏物語 / 食 / 食文化 / 平安文学 / 中古文学 / 古注釈 / 梗概書 / 受容 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、『源氏物語』の受容史を通して、食に対する人々の意識の変遷を探る。 人間は生きるために欠かせない食を文化にまで昇華させた。何を食べていたか、だけでなく、食をどのように捉えていたか、という視点は、人物の心情の動きが具に描かれる文学研究の視座が有効である。 中でも、当時の文化背景に基づき精緻に描かれた『源氏物語』は、千年にわたり多様な形で絶えず読み継がれてきた。これまで『源氏物語』自体の食事描写が意図的に配されていることについては明らかにしてきた。さらに、注釈書や梗概書、絵画表象などの受容作品における食事描写を分析することで、食に対する意識がどのように移り変わって来たかを解明する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、『源氏物語』を中心として、受容史における食描写の変遷を辿ることで、食に対する人々の意識がどのように移り変わってきたかを解明するものである。 『源氏物語』は、当時の文化背景に基づき精緻に描かれ、千年にわたり多様な形で絶えず読み継がれてきた。『源氏物語』の注釈書や梗概書、絵画表象などの受容作品における食事描写のデータベースを作成し、分析することで、食に対する意識がどのように移り変わって来たか、さらに受容作品から翻って『源氏物語』等、平安朝文学作品における「食」の描写方法を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2024年大河ドラマ「光る君へ」において紫式部が主人公となり、平安時代の生活が注目されている。平安時代、食は文化として認識され儀礼と密接に関わるようになっていった。2013年にユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」の源流は、平安時代にあるといっても過言ではなかろう。その食を人々がどのように捉えていたかは、歴史書や記録類からはなかなか見出せず、登場人物の行動・心情が密接に連関する文学研究の視点をもってこそ解明し得るものである。さらに受容の面に広げることで、現代との連続性・分断性を見出すことができる。
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