研究課題/領域番号 |
19K23066
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
BAEK SANGYUB 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (60788925)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 記述言語学 / 地域言語学 / ツングース語族 / 言語接触 / 言語類型論 / ツングース諸語 / ウイルタ語 / サハリン島 / 周辺言語 / モンゴル語族、チュルク語族 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ツングース語族をその地域的分布に基づいて5つのグループに分類し、各グループにおけるツングース語族の類型論的特異性を取り出し、それぞれの周辺言語との類型論的特徴と比較・対照を行うことで、ツングース語族内部における文法的異同を隣接言語との言語接触の観点 から解明することを目的とする。これは、未知の世界であるツングース語族の言語変容プロセスとツングース祖語の言語構造を明らかにし、ツングース語族をはじめとするアルタイ諸言語の系統論的・類型論的研究の発展に資する学術的意義と消滅危機に瀕している少数言語の保持の社会的意義を有する研究である。
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研究成果の概要 |
本研究は、ツングース語族に見られる地域的分布と類型論的相違の相関性を明らかにし、同現象を周辺言語との接触に起因するという地域言語学的観点から考察することを目的とする。その研究成果として、6つの文法特徴【1)サハリン地域に分布するウイルタ語、アイヌ語、ニヴフ語における複数接辞の用法、2)第Ⅲ群のツングース語族におけるウイルタ語の特異性、3)同主語副動詞語尾を用いた異主語文、4)北ツングース語族とコリマ・ユカギール語との類型論的類似性、5)ツングース語族における定動詞直説法の時制体系、6)ツングース語族における目的節形成形式】に見られる類型論的相違を周辺言語との言語接触の観点から解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、ツングース語族内部の類型論的相違を明らかにすることで、議論が分かれているツングース祖語の再建に資する学術的独自性をもつ。また、いまだ不明のままであるアルタイ諸語における類型論的類似が地域的分布による接触の結果であるか否かが明確になり、アルタイ諸語の系統・類型論的研究への貢献できる。さらに、ツングース語族は、話者数の激減に伴う消滅危機に瀕している少数言語であるため、少数言語の保存・保持の面においても、社会的な意義を有する研究でもある。
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