研究課題/領域番号 |
19K23073
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮内 拓也 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特任助教 (50781217)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 名詞句 / 限定詞句 / 定性 / 特定性 / ロシア語 / NP / DP / 出来事名詞 / 統語論 / 意味論 / 統語構造 |
研究開始時の研究の概要 |
冠詞のない言語の名詞句の統語構造の解明は理論言語学の大きな問題である.本研究課題では,冠詞のない言語としてロシア語を取り上げ,実験的手法やコーパスを用いた統計的手法を援用し,名詞句の統語構造と定性・特定性の意味解釈の関係を突き止めることで,この問題に対して解答を与えることを目的とする.本研究課題により,従来からの理論言語学の一つの問題に対して解答を与えることが可能となり,名詞句の定性・特定性の解釈を生み出すメカニズムの解明が期待される.
|
研究成果の概要 |
顕在的な冠詞を持たない言語における名詞句についてはその統語構造に関して現在でも様々に議論があり,その解明は理論言語学上における大きな未解決の問題の一つであるといえる. 本研究課題では,この問題に対して,冠詞のない言語としてロシア語を取り上げ,名詞句の統語構造と定性・特定性の意味解釈の関係,および周辺の諸現象に関して検討することで,問題の一部に解答を与えた.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題では,ロシア語における数詞と所有代名詞を共に含む句における定性の解釈,存在文における定性制約,目的語の否定属格現象,文内での要素の配列(語順)といった現象をもとに,しばしば先行研究で指摘されている定性・特定性の名詞句への実現のために限定詞句が必要であるという主張を否定することとなった. さらに検討を加えるべきことは多く残っているものの,言語学上の一つの未解決の問題となっている冠詞を持たない言語における名詞句の統語構造の解明に関して一定の寄与ができたものと思われる.
|