研究課題/領域番号 |
19K23077
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
北原 圭一郎 香川大学, 教育学部, 准教授 (50848471)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 源氏物語 / 贈答歌 / 古今和歌集 / 後撰和歌集 / 伊勢物語 / 返歌 / 後撰集 / 人物造型 / 平安私家集 / 歌物語 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、第1に、平安時代における贈答歌の実態、特に、贈歌・返歌の対応の法則性について切り返しの発想という観点から明らかにすること、第2に、『源氏物語』が、平安貴族社会における贈答歌の実態を踏まえつつも、物語の場面や人物関係を描く方法としてそれをどのように利用しているかを明らかにすることである。『万葉集』や平安時代の勅撰集・私家集を対象として、歌集ごとの贈答歌採録方針の差異をも勘案しながら贈答歌の特徴を分析し、それと比較して『源氏物語』の贈答歌の虚構性、場面の状況や人物関係に応じた描き分けの方法などを明らかにしていく。
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研究成果の概要 |
第1に、平安時代の勅撰集の贈答歌を対象として、贈歌・返歌の掛け合いの法則性について調査した。贈歌の表現自体から反発の契機を導き出すという高度な形式が、特に『古今和歌集』に見られること、それが『後撰和歌集』の贈答歌にも一部引き継がれていることなどを明らかにした。 第2に、『源氏物語』の贈答歌が、物語中の人物関係を効果的に描写する方法としてどのように利用されているかについて調査した。『源氏物語』においては、人物や状況に応じて贈答歌の表現や返歌の詠み方が意識的に描き分けられており、贈答歌にはそれまでに描かれてきた男女の関係を集約的に語り直す方法があることなどを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
『源氏物語』は、日本古典文学の中でも最高傑作の1つであり、一般読者からの人気も高く、国語教育においても主要な教材となっている作品である。本研究では、この作品を読み解く方法として、人物同士で交わされる贈答歌に注目した。『源氏物語』中では多数の人物間で贈答歌が交わされるが、それは単に同時代の習俗の反映ではなく、特定の人物関係を印象的に描き直す手段や、光源氏と多数の女君たちとの関係を描き分ける手段となっていることを明らかにした。
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