研究課題/領域番号 |
19K23083
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 昭和大学 (2022) 上智大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
大澤 恵里 昭和大学, 教養部, 講師 (40845351)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 言語音処理 / 子音知覚 / 残響 / 音声知覚 / 残響環境 / 非母語の知覚 / 言語知覚 / 残響下知覚 / 第二言語知覚 / 時間長知覚 |
研究開始時の研究の概要 |
残響には音を伸長し実際の長さよりも長く知覚させる作用がある。この作用は残響下における言語音の明瞭度低下の一因とされているが、先行研究では音素識別の調査に偏っており、言語音の時間長知覚への残響の影響に関しては明らかになっていない。音素の長さによって意味が変わる日本語の長短対立と時間長が知覚の手掛かりになる英語の破裂音の有声性判別に焦点をあて、時間長知覚に対する残響の影響を調査する。残響を考慮した時間長の知覚という点において、音声を聞く環境への適応能力も研究の範囲に入れる。また、残響の影響は非母語話者の方が知覚に対する影響が大きいとされるため、非母語話者との対比も行う予定である。
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研究実績の概要 |
本研究では言語音の情報処理に対する残響の影響を明らかにすることを目的としている。具体的には言語音声の時間情報の処理を行う際に聞き手の周囲の残響がどの程度影響を及ぼすかということに焦点を当てている。これまでの研究では日本語音声を対象に自然音声の聞き取りに対する残響の影響を調査してきた。本年度は人工音声を実験用の刺激音声として、これまでに行ってきた実験と同様の実験を行った。調査対象としたのは日本語の子音で、フォルマント遷移の知覚と有声性の判別への残響の影響を調査した。フォルマント遷移の知覚の調査では/ba/と/wa/の判別を対象とした。残響の有無によって回答に差が出たものの、刺激音声を言語音声と認識できない実験参加者もいたため、課題が残った。本研究の結果は日本音響学会の春季研究発表会で発表した。また子音の有声性に関しては、「残響がある空間では、残響がない空間において無声音と認識していた音を有声音と認識しやすくなる」という仮説を立証する結果となった。この結果は日本音響学会が発行するAcoustical Science and Technologyに投稿され、査読結果を待っている状態である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究はこれまでの実験結果を発表する段階にきており、本年度は論文や学会での発表を行う計画を立てていた。しかし研究環境の変化から本研究に割く時間が少なくなり、当初計画していたような進度での研究発表が行えなかった。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに行った実験の中でまだ発表していない内容に関して論文や学会で発表していく予定である。国際学術雑誌への投稿や国際学会での発表を視野に研究発表の計画を立てている。
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