研究課題/領域番号 |
19K23087
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 国際基督教大学 (2022) 明治大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
水倉 亮 国際基督教大学, 教養学部, 特任講師 (90848847)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 英語教育 / 教師教育 / トランスリンガリズム / アイデンティティ / 言語教育政策 / 言語イデオロギー / ポスト人文主義 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、日本人英語教員のトランスリンガルアイデンティティの確立過程およびその教育的活用、さらにはその阻害要因を明らかにすることを目的としている。複数言語をトランスリンガルに使用できる日本人英語教員を対象とし質的調査分析を行う。多言語多文化社会における言語教員のトランスリンガルアイデンティティの教育的有用性と英語教育改革に関わる社会的価値観の中に見られる言語イデオロギーとの関係性を調査する。その上で、日本人英語教員の課題と教育的意義を再確認し、英語教育改革や英語教員養成の改善策の素地の提供に貢献する。
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研究成果の概要 |
本研究は、国際化が急速に進む地方都市で、日本人英語教師のトランスリンガルアイデンティティとその教育的意義を明らかにすることを目的とした。研究対象とした地方都市では、ある国際的な大学が設立されたことで都市環境が急速に多言語多文化化した。複数言語を柔軟に使用できる当該大学の卒業生たちへのインタビューを通じて、英語教師になった彼らが、英語を母語としない留学生との交流に際して、言語の正確性よりも意思疎通を重視していたことが分かった。また、彼らは複数の言語を使いながら複雑なコミュニケーションに対処する実践的な能力を教えたいが、教科書の内容を忠実に教える必要性とのジレンマを感じていたことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、母語話者の言語能力を基準とした既存のバイリンガリズムの理論的枠組みを現代社会の現状に合わせて解釈し直した点にある。国際的には複数言語主義やトランスリンガリズムなど、より雑種的かつ流動的な人々の言語使用を認識するための議論が活発に行われているが、国内ではまだ十分になされていない。さらには、国内の「グローバル化」や「国際化」の認識は英語圏の言語や文化に結びつくことが多く、国内で身近にいる外国から来た人々をうまく取り込めていない。複数言語を使用でき、より国内の国際化の実態に合わせて英語を指導できる教員の事例を明らかにすることは、今後の外国語教育や国際化政策に有意義である。
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