研究課題/領域番号 |
19K23088
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
|
研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
藤原 愛 明星大学, 教育学部, 教授 (70611309)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 歯摩擦音 / LFC / EFL / intelligibility / 日本語母語話者 / 発音 / 外国語教育 / 音声学 / 外国語 / 代替音素 / Praat / ELF / オンライン授業 / 英語音声学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、日本語母語話者の英語の発音をEnglish as a Lingua Franca(ELF)の枠組みで捉え、そのintelligibility(明瞭性)を検証するために、Lingua Franca Core (LFC)の項目のうち「日本語母語話者が困難を感じる」とされる歯摩擦音(thの発音)について、(1)日本語母語話者の代替音素のintelligibilityについて、アジア圏の英語話者がどれだけ許容するかを調査し、(2) ELFとして歯摩擦音のintelligibilityを維持するための日本語母語話者への適切な発音指導とはどのようなものかを明らかにすることである。
|
研究成果の概要 |
本研究では、日本語母語話者の英語発音における歯摩擦音の代替音素のintelligibilityを検証した。全体の傾向として、歯摩擦音の代替音素として最も多く用いられたのは歯茎摩擦音であり、有声音・無声音ともに正しく発音される割合は約25%であった。環境別に見ると、特に語末では、有声音が無声音化する傾向が顕著であった。 一方で、個人内の代替音素のバリエーションを分析すると、個々の発音傾向が必ずしも全体の傾向と一致しないことが明らかになった。一部の学生は正しい歯摩擦音や代替音素としての歯茎破裂音を高頻度で使用していることから、intelligibleな発音に対する教育への示唆が得られたと考える。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
個人内における歯摩擦音の代替音素のバリエーションの分析から、有声/無声どちらかが「正しく」発音できるということは、その音の調音点と調音方法を正しく身につけていると考えられるが(違いは声帯の振動の有無)、実際は学習者にとってどちらか一方(有声/無声)の発音の習得は、他方の発音も補完するものではないことが明らかになった。また、代替音素として、LFCでintelligibleとされる歯茎破裂音を多用している学習者もいることから、intelligibleな英語の発音として歯茎破裂音が有効であることを授業を通じて伝えることで、コミュニケーションのための英語の発音をより効果的に伸ばすことができると考える。
|