研究課題/領域番号 |
19K23109
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
伊東 かおり 広島大学, 文書館, 助教 (90849902)
|
研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 議員外交 / 議会外交 / 国民外交 / 列国議会同盟(IPU) / 日ソ関係 / セカンドトラック / 万国議院商事会議 / 列国議会同盟 / 貴族院 / 議会事務局 / 憲政資料(参議院所蔵) / 衆議院 / 冷戦史 / 議会史 / 核軍縮問題 / 現代外交史 / 東アジア関係史 / 政党史 / IPU / 多国間外交 / 冷戦外交 / 「外国通」議員 / 日韓・日朝関係 / 政党間外交 / 政党外交 / 戦後政治外交史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本の議員外交を歴史的視点に立って検討し、その実相を解明することに主眼を置く。とりわけ冷戦期に焦点をあて、戦前から日本との関係の蓄積があった列国議会同盟(IPU)に注目し、冷戦構造のもと、日本がIPUを通じてどのように議員間交流を発展させ、多国間・二国間での議員外交を構築していったかを考察する。研究の遂行にあたっては、海外でもこれまでほとんど注目されていなかったジュネーヴのIPU事務局の資料等、国内外の一次資料をふんだんに用いることで実証性を高め、近年発展が著しい日本の議員外交を戦後外交史や国際関係史のなかに位置付けることで、その歴史的意義を問いたいと考えている。
|
研究成果の概要 |
本研究は、ヨーロッパで誕生したIPUを中心とする多国間議員外交を、20世紀初頭に受容した日本の議員外交の成熟過程を検討した。特に戦前においては国民主義的対外硬や国民外交といった藩閥政治や外務省による外交占有に反発する政治勢力が独自の外交のために行っていた議員外交が、戦後の議院内閣制の本格化や保守合同により国民外交が政府外交に内在化されたことで、政府外交を補完する外交としても位置付けられていったことを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
議員外交は今日、当局の政策決定に影響を持つ有識者レベルの交流・交渉として重要な一角を担っているが、本研究はIPUを通じた日本の多国間議員外交の歴史を初めて検証した。戦後の議院内閣制の本格化や冷戦構造のなかで日本が議員外交を成熟させた過程を実証的に検討し、日ソ両国の議員団が核軍縮や宇宙法の問題に関する熟議を通し友好関係を構築した事実などを解明した。本研究により、本義的には国内の政治課題を解決する機関である議会が持つ、対外的な政治アクターとしての側面が照射されたともに、議会政治の成熟に比例して充実を見る議員外交の軌跡を明らかにすることができた。
|