研究課題/領域番号 |
19K23110
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 聖心女子大学 (2020-2023) 九州大学 (2019) |
研究代表者 |
齋藤 久美子 聖心女子大学, 現代教養学部, 准教授 (90432046)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | オスマン朝 / アナトリア南東部 / 境域 / イスラーム史 / サファヴィー朝 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、16世紀から17世紀までを対象としつつ、中東においてアラブ圏・イラン圏・トルコ圏の境界域に位置し、オスマン朝史研究の文脈では「帝国の周縁」や「特殊な地域」として認識されるアナトリア南東部の地域的特性について検討する。その際、申請者がこれまで研究してきたアナトリア南東部の政治・社会状況に加え、新たに同地域を中心とした経済活動に注目して分析をすすめる。
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研究成果の概要 |
本研究ではアナトリア南東部が交易の中継地として果たした役割とともに同地域で行われた商取引の実態について検討した。交易品のうち、織物はオスマン朝内外の生産地のものが流通した一方、薬種や香料の多く、そして染料の一部は東方から運ばれたと考えられた。皮革、鉱物・顔料、森林資源の多くは国内産のものが流通したことがうかがわれた。また商取引にかかわるアクターとしてクルド系領主の存在が予想されたため、彼らが果たした役割についても検討した。その結果、一部のクルド系領主が絹をはじめとする交易に参入していたことが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によりアナトリア南東部での経済活動の実態の一端が明らかになった。これは「オスマン朝とサファヴィー朝の緩衝地域」というようなこれまでの外在的なとらえかたに対し、当該地域の内在的な理解を促進するための一助となろう。近代以前のアナトリア南東部に関する研究は制度史が主流であり、同地域を俯瞰するような研究はやや立ち後れている。本研究のように経済活動に着目して地域的特性を明らかにする試みは、境域の地域史につながる研究動向を生みだす可能性がある。
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