研究課題/領域番号 |
19K23111
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
手嶋 大侑 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 研究員 (20843147)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 年官 / 院政期 / 人的ネットワーク / 『除目申文之抄』『九抄』 / 宮内庁書陵部図書寮文庫所蔵『除目申文之抄』 / 藤原伊通 / 九抄 / 年官・年爵 / 中央と地方の人的ネットワーク / 院分 / 平安時代 |
研究開始時の研究の概要 |
人的ネットワークは、人々の活動を規定する重要な要素として常に存在しており、そのあり方には、当時の社会の時代的特質が反映されている。本研究では、日本の歴史上、国家・社会のあり方が大きく変わった時期の一つである平安時代中期の中央と地方の人的ネットワークが11世紀末以降(院政期)にどのような変容を遂げたのかを、当時の皇族・貴族が分有していた官職推薦権(年官)を素材に明らかにしようとするものである。そして、中央と地方の人的ネットワーク史という新しい観点から平安時代の社会を捉えなおし、新しい平安時代史像を提示することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究課題で得た主要な成果は次の二つである。一つは、宮内庁書陵部図書寮文庫所蔵『除目申文之抄』が、これまで逸書とされ、逸文しか残されていないとされてきた平安後期の貴族藤原伊通の除目書『九抄』の一部の写本であることを明らかにしたことである。 もう一つは、中央と地方の人的ネットワークを支える年官(皇族・貴族が持つ官職推薦権)の機能が、11世紀後半から形骸化しはじめることを明らかにしたことである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、従来逸書とされてきた『九抄』(一部)の写本を発見できたことは、近年研究が盛んな中世の公事・除目研究に資するものになり、それは、前近代における日本貴族社会の特質の解明につながる意義がある。 また、11世紀後半における中央と地方の人的ネットワークのあり方の変化を解明できたことは、古代から中世への社会変容の様相解明に寄与する成果であり、それは時代が大きく変わる時期において、当時の人々がどのような人間関係を大切にしていたのかを明らかにする(人的ネットワークの観点から日本社会の特質を明らかにする)ことにつながる。ここに、本研究成果の社会的意義がある。
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